2025年4月に誕生した山陰で初めての女子硬式野球のクラブチーム「島根フィルティーズ」。
島根県川本町を拠点に活動しています。
地域の期待を背負って戦ったナインは、参入1年で中四国リーグ2部昇格を果たしました。
2025年4月、本格的に活動を始めた山陰初の女子硬式野球クラブ「島根フィルティーズ」。
森山一人監督:
「町おこしっていうところがチームの主であるので、川本のみなさんに認めてもらえた状況で試合をしたい」
「野球の町」として地域に活気をもたらそうと、川本町が設立しました。
大田市出身の元プロ野球選手、森山一人さんを監督に迎え、女子野球中四国リーグ「ルビーリーグ」に参加、13人の選手たちが1年目のシーズンを戦いました。
町がつくった女子野球チーム、選手たちは、町の地域おこし協力隊として野球だけでなく、町の魅力発信、PR業務を担当、地域の行事などにも積極的に参加し、勝敗よりも「町民に認められるチーム」を目指し活動してきました。
町民:
「がんばっていると思う。昔音楽の町で、今は男・女性で野球の町になった。それもいいんじゃいないですか」
町民:
「地元の自治会なんですけど、フィルティーズを応援しないといけないなと思って、自治会の会員さんに寄付をしてもらって、のぼりをつくった」
活動開始から約半年、5日に川本町で行われた中四国リーグ3部の最終戦。
フィルティーズは、ここまで6勝1敗、勝てばリーグ優勝。
そして、2部昇格が決まる1年目の集大成ともいえる試合です。
町の中心街は閑散としていましたが、球場は熱気に包まれていました。
一塁側のスタンドには、約300人のフィルティーズの応援団です。
手作りののぼりや横断幕などを用意、町民が声援を送りました。
この応援に押され、フィルティーズ打線が初回から爆発。
ノーアウト満塁のチャンスに4番の紺屋。
走者一掃のツーベースヒットで、3点を先制します。
このあとも4本のタイムリー集め、打者14人の猛攻。
大量11点を奪い、相手を突き放しました。
援護をもらった先発のエース・野中。
打たせて取るピッチングで、3回を無失点に押さえます。
その後も追加点を挙げたフィルティーズは、23対0で5回コールド勝ち、7勝1敗でリーグ優勝、参入1年での2部昇格を決めました。
森山一人監督:
「4月に13人集まって練習開始したとき、スタンドにはさみしいくらいの人でしたが、本当にここにこれだけの皆様に集まっていただけて感謝しています。1年間ありがとうございました」
川本町で行われたホームゲーム4試合の平均観客数は約200人、人口約3000人の川本町にとっては大きな数字です。
初めてのシーズンを終え、フィルティーズは「町民に認められ、応援されるチーム」になっていました。
キャプテン・恩田楓可選手:
「目標にしていた三部リーグ優勝と二部昇格が達成できたので良かったです。来年はまた一発で2部優勝して、1部昇格できるようにがんばりたいです」
森山一人監督:
「一年目は皆さん新しいので、すごい興味持ってもらえていると思うんですけど、やっぱり、今度はどこまで継続していくかっていうところに考えを持っていかないと、続かないと意味がないと思います。もっと認めてもらえるような活動にはしていきたいなと思ってます」
2026年、フィルティーズが戦うルビーリーグ2部には、同じ町にある島根中央高校が所属。
「川本ダービー」が実現します。
野球で町を元気に。
女子選手の活躍は、川本町にさらに熱気を呼び込みそうです。
島根フィルティーズは、あと2試合を終えるとシーズンオフに入ります。
ただ、その間も地域おこし協力隊の業務、そしてトレーニングに励むということで、忙しいオフを過ごすということです。
また、来シーズンに向けて新戦力を迎え入れ、特に投手力の強化を図ることにしています。
中四国リーグ2部に昇格し、2026年は川本町での試合も増えることから、野球の町はさらにアツくなりそうです。