サラリーマンの街、東京・新橋にある煮込み料理が人気の居酒屋「煮込み居酒屋 寅 西新橋店」。
仕事終わりに訪れた人たちは、待望のビールを飲み、「ビール好きですね。疲れたときに飲むと一番気持ちいいお酒だと思う」などと話しました。
ところが、こうした居酒屋にも先週から続くアサヒグループホールディングスへのサイバー攻撃によるシステム障害の影響が及んでいます。
煮込み居酒屋 寅 西新橋店・長瀬大店長:
酒屋さんの方から生だるの発注規制がかかって、本当は一日に何たるも頼めてはいたが、一日1本(たる)ということで制限が設けられた。
店ではこれまでアサヒビールのみ取り扱っていましたが、現在では他のメーカーのビールについても、1日1たるの発注制限がかかっているといいます。
煮込み居酒屋 寅 西新橋店・長瀬大店長:
金曜日とか宴会、団体さまの宴会が入ると、どうしても一日2たるぐらいは使うという感じが現状。他店舗の方からお借りしたりとか、そういう対応をしていかなくちゃならないので、いつかなくなるというのは怖い。11月~12月(忘年会シーズン)はどうしても(在庫が)間に合わないので、それまでに絶対になんとかしてほしい。
システム障害の影響は居酒屋だけではありません。
東京・渋谷区のドラッグストア「三千里薬品 宇田川店」で店頭限りの在庫となっていたのは、ベビーフードなどを扱うアサヒグループ食品のブランド「和光堂」の商品。
三千里薬品・取締役マネージャー:
お客さまが今後品切れなどを憂慮してお買い物に来られた場合は、すぐになくなってしまう程度の在庫です。
商品を卸す業者から、近く品切れする可能性があることを伝えられたといいます。
三千里薬品 宇田川店・西村清店長:
これじゃないとダメという人もいますので、ご迷惑かかっちゃうかなと思うので申し訳ないなと…。
意外な商品への影響に、親たちからは「うちの娘が(和光堂の)味が好きみたいでよく買っている」「(復旧の)めどが立っていないというところはちょっと心配ではある」といった声が聞かれました。
さらに、システム障害の影響は百貨店でも。
そごう・西武は、カタログギフトからビールの詰め合わせなどアサヒ商品5種類の取り扱いを中止。
高島屋も、オンラインサイトでビールなどの詰め合わせが品切れとなった他、お歳暮向けのサイトでも購入できない状態が続いています。
大手百貨店の関係者からは「ビールは百貨店ギフトの定番で売れ筋の1つなので、仮に今の状況が続けばお歳暮商戦に影響しかねない」との声が聞かれました。
現在、アサヒビールの「スーパードライ」は手作業で受注し、それに応じて生産するという方法で部分的に生産を再開しています。
しかし、年末の書き入れ時が近づくのを前に、事態が長期化することへの懸念の声が様々な場所から出ています。