4日、小泉進次郎氏が優勢という下馬評を覆して、自民党総裁選を勝利した高市早苗氏。

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「サン!シャイン」は、元政治記者でジャーナリストの岩田明子氏、元衆院議員で安倍元首相の選対にも参加した佐藤ゆかり氏、ファッションから人の印象を作り上げるパーソナルスタイリストの第一人者・政近準子氏という、3人の専門家と共に総裁選に至る映像を解析。

総裁選の裏に隠された、様々な思惑が見えてきました。

票固め電話の“裏話”

当初、小泉氏が一歩リードし、高市氏と林氏が2番手を争う形となった総裁選。

票獲得のために、候補者たちは党所属国会議員へ支持を呼びかける電話を行いますが、実際に投票経験もある元衆院議員の佐藤ゆかり氏によると、他の陣営からの電話もかかってくるため、同じ相手に何度も電話をして、意志を確認するといいます。

元衆院議員 佐藤ゆかり氏:
総裁選の最中というのは、1日数時間ごとに国会議員票が動いていくんですね。
リストに基づいて票固めをしていくんですけども、「こんにちは、総裁選の件ですけどね」とお電話を始めて、「お決まりですか?」と聞くんですが、「決まっています」ってお答えでしたら「どなたですか?」って聞いたり。「まだ悩んでいるんですよ」って言われたら「是非、この候補者をお願いします」といって。
2回目の安倍元首相の総裁選挙の時に、候補者の安倍さんから私の携帯電話に、合計3回くらい念押しの電話をいただいたんです。

麻生氏が「高市支持」に動いた理由

水面下で熾烈な票の獲得争いが行われる中、今回も、その動向が注目されたのは、キングメーカー・麻生最高顧問。

決選投票では、麻生派の議員に対し「高市氏に投票する」と伝えたといいますが、ジャーナリストの岩田明子氏によると、麻生氏が高市氏に乗ったのは、「選挙で自民党の負けが続いたから」だといいます。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
3回の選挙で自民党は負けた。参議院選挙では「これまで民意に向き合ってこなかったからだ」という総括をしています。自民党員は過去に比べるとかなり減っていて、野党に流出をしています。
少数与党になった今、党員の投票行動を無視する、つまり国民の声、民意の声を覆すような国会議員の投票行動というのは、少数与党になった今回は許されることではない。
民意を無視した投票行動だと映れば、さらなる党員の流出、ひいては次の衆議院選挙で厳しい審判が下るであろうという、そういう議員心理に影響を与えたと思います。

装いも「総裁選として完璧」

投開票当日、青いスーツにパールのネックレスで登場した高市氏。

パーソナルスタイリストの政近準子氏は、この装いを「総裁選として完璧」と話します。

パーソナルスタイリスト 政近準子氏:
青は高市さんが憧れていらっしゃるという(元イギリスの首相)サッチャーさんの“サッチャーブルー”に近い色味でもあると思います。いつもはタフさというところが少し勝る方なんですけれど、“女性性”ということを残しながらの、“強さ”の表現になっていたと思います。

さらに、女性用のジャケットにはあまりない胸ポケットが付いている点や、男性用を意識したような、あえて長めのジャケットを選んでいる点も、評価のポイントだといいます。

「働いて、働いて」の真意とは

総裁選に勝利した高市氏が、“決意の言葉”として放った「馬車馬のように働いていただきます、私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てます。働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」という言葉。

様々な受け取り方を呼び、世間をにぎわせましたが、実際、新総裁となった高市氏の働きぶりについて、岩田氏はこう話します。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
高市さん、実は仕事を抱え込みがちなんです。
多くの閣僚は、国会の予算委員会の答弁をする前に役人のブリーフ(簡潔な説明)を聞いて、資料を読みながら国会に臨む人が多いんですね。ところが高市さんはこの役人のブリーフを聞かずに、資料だけご自身で読んで、そのまま国会答弁を自分の言葉で話すくらい、政策には精通している。
人と連絡を取らずに、ご自身で勉強している時間が長かったりして。何でも得意分野なので、抱え込む傾向があるとも言われているんですね。

現実味を帯びてきた、日本初の女性総理誕生。
様々な課題を抱えている、今後の日本の行く末はどうなっていくのでしょうか。
(「サン!シャイン」 10月6日放送)