テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している古山圭子気象予報士が特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「中秋の名月」について、お伝えします。

なぜ「お月見」といえば秋?

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中秋の名月ということで、今回は…児玉アナがウサギの耳、古山予報士が満月を頭につけて登場しました!ここでさっそく、お天気クイズです。「月は年中出ているのに、なぜ、月見といえば“秋”なんでしょうか?」

児玉アナは、「秋の月がきれいだから」と回答。これは大正解!では、その理由は…?「実は、月の高さと空気に秘密があるんです」と古山予報士。季節ごとの月の見え方の違いを比較してみましょう。

秋は ベストな「高さ」と「空気」がそろう

古山予報士の解説によると、月を美しく見るためには2つの条件が重要だといいます。

<ポイント1:月の高さ>
 夏:月の位置が低すぎて、地上の街明かりなどに邪魔をされてしまう
冬:逆に月が高すぎて、ずっと見上げていると首が痛くなってしまう
春と秋:見上げるのに、ちょうど良い高さ!

高さの条件をクリアした春と秋ですが、ここでもう一つのハードルが生まれます。

<ポイント2:空気の澄み具合>
春:「春がすみ」という言葉があるように、黄砂や花粉などの影響で空が霞みがち
秋:空気が澄んでいる日が多く、月が最もくっきりと綺麗に見える条件が整う

つまり、「見やすい高さ」と「澄んだ空気」という2つの好条件がそろうのが“秋”というわけです。何気なく楽しんでいたお月見ですが、気象の観点から見ると、秋が選ばれたことにはしっかりとした理由があったんですね。

そこで、現在の「中秋の名月」を見てみましょう!情報カメラの映像に切り替えると・・・なんと、タイミングの悪い事に、雲がかかって「春がすみ」のようになっていました。これには古山予報士もがっかり・・・番組の冒頭には、本当に綺麗な月が見られたんですけどね。ただ、まだまだチャンスはあるとのことでした。

この夜だけの特別な共演「月と土星のランデブー」

さらに古山予報士は、この日の夜空のもう一つの見どころを教えてくれました。

気象予報士 古山圭子さん:
月のすぐ隣でひときわ強く輝いている星、土星なんです。

この日の夜は、月と土星がすぐ近くで寄り添うように見える、天文学的にも珍しい「月と土星のランデブー」が見られるとのこと。これは肉眼でも楽しめるということです。

解説を聞いた後で夜空を見上げると、いつもの月が少し違って見えるから不思議です。気象の知識が一つ増えるだけで、日常の風景や季節のイベントが、より一層興味深く、特別なものに感じられるようになりますね。

(テレビ宮崎)

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