札幌の繁華街「ススキノ」。
路上での喫煙は制限されていないせいか、吸い殻のポイ捨てが後を絶たない。
そんな中、民間の喫煙所が10月3日オープン。
新たな「たばこマナー」の拠点になるのだろうか。
繁華街ススキノに民間の喫煙所オープン
「3・2・1どうぞ!」
「THE SMOKE BASE、オープンです」
札幌の繁華街、ススキノのど真ん中に屋内喫煙所がオープンした。
広さは14平方メートルで、最大30人が同時に利用できる。

コンセプトは「より人と環境にやさしい空間」だ。
「こちらの灰皿、水が入っていません。中の機械がタバコを押しつぶすなどして火を消すということです」(関根弘貴記者)

中にある2つの電動ベルトで吸い殻を圧縮し、酸素を少ない状態にして消火する仕組みだ。
灰皿に水を使わないため臭いが出にくく、清掃も溜まったごみ袋を捨てるだけ。

「タバコの煙の臭いがほぼ感じないので、非常にリラックスできると思います」
「なかなか喫煙所探すのに苦労するので、もうちょっと増えてもいいのかなと」(いずれも利用者)
約800万円を投入して作ったワケとは?
喫煙所を運営するのは札幌の広告代理店だ。
約800万円を投入し喫煙所をつくったのには、ある理由があった。
「私たちは有志でゴミ拾いをやっていまして吸い殻がススキノが多くて(ゴミの)9割位が吸い殻。喫煙所を作れば少しでも吸い殻が減るのではと思い作りました。」(トリプルワン 伊藤翔太社長)
外国人観光客を含め喫煙者が目立つススキノ。
たばこマナーが課題だった。
“歩きたばこへの罰則” ススキノは対象外
かつては場所を問わず、たばこを吸う光景が日常の一つだった。
公園や駅のホームなどの屋外はもちろん、オフィスの中まで。
健康志向の高まりで2003年から分煙が進み、2020年には屋内での喫煙が原則禁止となった。
札幌市も2004年にポイ捨て防止条例を制定。
中心部の一部を喫煙制限区域とし、歩きたばこに罰則を設けた。

その一方で、ススキノはポイ捨て以外は罰則の対象外だ。
その背景は―
「(喫煙制限の)エリアを作ったのは歩きたばこで歩行者や子どもがやけどをしてまうことを避けるため。歩行者や小さなお子さんがよく集まるエリアを設定しているのでススキノは入っていない。酔った人に(ポイ捨てを)指導する現実的な難しさもある」(秋元克広市長)

新たにオープンした喫煙所の想定利用者数は1日最大2400人。
外国人観光客が喫煙所と分かるように英語表記にした。

「ススキノ地区が美化の事をちゃんと考えていると発信できれば。マナーの拠点になればと思っています」(伊藤社長)