芸術の秋です。脳性まひのため両手が不自由で、足で絵を描く「ふうちゃん」こと冨永房枝さんの作品などを並べたギャラリーが、長野県小川村にオープンしました。冨永さんは「多くの人に見てもらえてうれしい」と話しています。


美しく咲き誇る彼岸花と力強く書かれた「魂」の文字、色鮮やかに描かれたアジサイに添えられるたくさんの詩。

これらの絵手紙を描いたのは、長野市の冨永房枝さん(62)です。手ではなく「足」で描いているため自ら「絵足紙」と呼んでいます。

冨永さんの作品などを並べたギャラリーが9月23日、小川村にオープンしました。

冨永房枝さん:
「今まで描いてきた作品をいろんな方に見ていただけるのはとても幸せです」


足でキーボードを演奏。24年前の映像です。冨永さんがキーボードを足で弾いてコンサートを開いています。

生後間もなく脳性まひとなり、両手が利かなくなった冨永さん。それでも好きだった音楽活動などを続けてきました。

「ふうちゃん」と呼ばれ親しまれ、県内外でコンサートや講演会を開いています。

1996年からは作家名「風子」として足の指に筆を挟んで絵手紙を描く「絵足紙」の創作も行っています。

冨永房枝さん:
「(絵を描いているときは)楽しいし、苦しいし、いろんな感情が出てきますね」

冨永房枝さん:
「あまり何も考えないようにして描いています」

これまでに描いたのは、はがきサイズのものから2メートル四方の大きな作品まで200点以上にのぼります。


冨永さんの作品を多くの人に見てもらいたいと、友人で小川村で民宿を営む丸田勉さんが9月23日、ギャラリーをオープンしました。

120点を展示しています。

丸田勉さん:
「絵もそうですけど、言葉ですね。考えも及ばないような言葉がポッと出てきている。それと絵をどう組み合わせるかが非常に天性的な持っているものがあって、非常に面白い世界をつくっていると思う」

訪れた人は―。

訪れた人:
「色もそうだし、迫力もある。色の配置もきれいにできているし、すごいです」
「風子さんの魂を感じる、感動しています。俺も頑張っていかなきゃいけないなという思いをより強くしました」

ギャラリーには、丸田さんと親交のある木彫りの仏像などを制作する長野市の高橋敬造さんの作品も展示されています。

冨永房枝さん:
「きょうは私の人生の中で一番幸せな日だなと思っています」

9月23日はオープンを記念して地元の住民などが集まりセレモニーも行われました。

冨永さんがキーボードを演奏―。

演奏を聴いた人:
「個性が出ている、素晴らしいものですね。聴く人と演奏する人、それとこの環境でコラボするのが最高」
「すごく上手ですね。お話もすごく楽しくて元気がでます」

冨永房枝さん:
「いろんな方が感じることをそのまま感じていただけたら、それでいいなと思います」

ギャラリーを見学する場合は丸田さんに連絡し予約してほしいということです。
(丸田さんの連絡先:090-9660-5257)

長野放送
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