一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回は大阪府池田市の阪急・池田駅からスタートです。
【兵動大樹さん】「こちらはインスタントラーメンの町。落語の町とか、動物園とか大衆演劇とかすごい町」
今昔さんぽでも何度も訪れている池田市ですが、今回の写真は…
【兵動大樹さん】「むずっ…古!」
1965年(昭和40年頃)に撮影された写真の場所を探していきます。
■池田は「植木の町」
手渡された写真には、川と松の木。それに、たくさんの人が集まっています。写真の場所を突き止めるため、さっそく聞き込み開始!
商店街で出会った女性から「呉服橋」という橋の名前を教えてもらいましたが、写真の場所を特定するには至りません。なにやら「植木市」という言葉も出てきました。
【地元の方】「植木の町やからねここは」
【兵動大樹さん】「ラーメンと文枝師匠の町ちゃうの?」
ロケをしていると、急に芸人「パピヨンズ」のちよみさんが!ロケ場所の目の前で「運動クラブ」を開いていたんです。ちよみさんに写真を見せると…
【パピヨンズ ちよみさん】「細河や!細河出身だからわかんねん。植木の町やろ、細河は」
【兵動大樹さん】「もうちょっとゆっくり喋って(笑)なんで細河は植木の町なんですか?」
【パピヨンズ ちよみさん】「知らんがな」
■植木で有名“細河地区”を目指して
写真に集まっている人たちは「植木を買いに来ている可能性もある」という新たな手がかりを得た兵動さんは、細河地区へと向かいます。とんぼがたくさん飛んでいる「中川原」の川がありましたが…
【兵動大樹さん】「むずいな、ここが橋なら(写真の)建物がなかったらおかしい」
細河地区では、40軒ほどの植木店があるそうです。池田市は、古くから「日本4大植木の産地」の1つとされています。
■フランス館にある「樹齢1000年を超えるオリーブの木」も手掛けた「そら植物園」
道中に「そら植物園」という場所があり、訪れてみることに。ここでは様々な植物を取り扱い、造園設計や空間演出などを手がけている「植木の何でも屋さん」。
大阪・関西万博のフランス館にある「樹齢1000年を超えるオリーブの木」にも携わったそうなんです。
「そら植物園」の代表・西畠清順さんは世界的に活躍する「プラントハンター」。
■「米が作りにくい土地」を逆に活かして
植物園には変わった植木がたくさんあるのですが…このトゲトゲの巨大な植物の名前はなんでしょうか?
正解は通称「酔っ払いの木」。ぽてーんと膨らんでいるのが、お腹が出ている姿に見えますね。販売価格はなんと5000万円!
【兵動大樹さん】「毎日の俺ですね。親近感湧くわ」
次に訪れたのが100年以上の歴史を持つ盆栽店「養庄園」。社長の浦部勝さんに話を聞くと、池田が「植木の町」と呼ばれる理由が明らかになりました。
【浦部社長】「この辺は米が作りにくい土地だったんですよ」
細河地区は砂地で稲作に不向きでしたが、水はけのよさを活かして植木栽培が盛んになったそうです。古くは室町時代に始まり、江戸時代には継ぎ木などの栽培技術も細河地区で行われていたと伝えられています。
■外国人にも人気の“盆栽”
「養庄園」では、盆栽の世界についても教えてもらいました。盆栽と植木の違いについて浦部社長はこう説明します。
【浦部社長】「盆栽と植木の違いは手間暇の問題。年数かけて手間をかけて大きくならないようにしてる」
小さな盆栽でも20年から30年もの時間をかけて育てられるものだそうです。興味深いことに、現在は若い世代や外国人にも盆栽の人気が広がっています。盆栽の手入れをしていたアメリカから来た男性に「盆栽」の魅力を聞きました。
【アメリカ・フロリダから来たムーニーさん】「勉強のために日本に6年前に来ました。針金かけは本当に面白い。自分が好きな形に作れるから」
思い描いた盆栽の形にするために、枝に針金をくくるんだそうです。
■写真の場所は「植木の競り」だった
浦部社長は写真の場所についても重要な情報を教えてくれました。
【浦部社長】「絹延橋と中橋の間やと思いますね」
写真に写っていたのは、昔、植木の「競り」が行われていた場所だったのです。川の奥に映っていたのは「織物の染色工場」でした。
【兵動大樹さん】「『池田は〇〇の町』っていうのはいっぱいあります。その中でまた出てきましたね。池田は『植木の町』。3日かけて競りをやってたぐらいすごい『植木市』があったと聞いてびっくりしました」
昔の写真に写っていた大勢の人々は、植木の競りに参加していた人々だったのです。池田の「植木の町」としての歴史が、一枚の写真から明らかになりました。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2025年9月26日放送)