北海道の鈴木直道知事は10月3日の定例会見で、釧路湿原周辺で進むメガソーラー工事について、全国から反対の声が上がっていることについて触れ、「道としてできることを徹底してやっていく」とコメントしました。


■登山家の野口健さんらが湿原周辺を視察「北海道から訴えて」

 メガソーラー工事を巡っては、登山家の野口健さんや、タレントのつるの剛士さんが10月2日に現地を視察し、「国が法整備を怠ったしわ寄せが地方に回っている。北海道から訴えることが国へのプレッシャーになると思う」と、建設を止める明確な姿勢を道が示すよう求めています。

■メガソーラー問題 鈴木知事のスタンスは

 こうした声について鈴木知事は、「まずは森林法違反で一部工事の中止を勧告した。現状では、全体の工事が中止されている。森林法だけではなく、都市計画法、文化財保護法など、各種関連法令に基づいて事業者に改善を求めている段階だ」として、道の対応に理解を求めました。

 そのうえで鈴木知事は、総裁選でも再生可能エネルギーをどう有効活用していくのか争点となっているので、国会で今後どのような動きがあるのかを見定めて、道としての対応を進めていきたいとしました。


 また鈴木知事は、メガソーラー開発や、外国人などによる土地買収や森林伐採に反対する一部の市民らが知事の姿勢を問いただすデモを札幌市内で行ったことについては、詳細については把握していないと述べました。

 水源地の買収や開発行為などについて鈴木知事は、道の「水資源保全条例」では、これまでは複数の無届け事案が確認されないと悪質ケースへの対応ができなかったとして、要領を改正し、直ちに悪質ケースに対応できる形にしたと発表しました。

 (湿原周辺の工事の画像は 猛禽類医学研究所 提供)

北海道文化放送
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