太陽が沈んで夜になると、見慣れたはずの景色も“表情”をぐっと変える。
見上げた空に広がる雲や星、静寂に包まれた空間、遠くに見える街のきらめき——。
夜景は、日常にあるちょっとしたドラマなのかもしれない。そんな魅力とお勧めスポットを、全国の夜景を撮影してきた“夜景マニア”の縄手真人さんが紹介する。
きらめく夜景は、都心の高層ビルや遠くの山から眺める特別なものだと思っていませんか?
いつもの帰り道、見慣れた住宅街のすぐ近くに、心を癒す、宝石箱のような夜景が隠れているかもしれません。
今回は住宅街を近くから眺められる、とっておきの夜景スポットを紹介します。
遊歩道からの景色に「立体感」を感じる
はじめに紹介したいのが、東京郊外のベッドタウン・多摩ニュータウンにある遊歩道「堀之内東山そよかぜの道」です。この場所は多摩丘陵の地形を生かして整備されており、「V字型」のような地形となっています。

遊歩道は高台にあるため、夜に上って遠くを眺めると手前に家々の温かな明かりが、その奥にはマンション群のきらめきが見渡せます。
丘陵地帯ならではの高低差が、夜景に奥行きと立体感をもたらしています。

また、写真撮影を楽しむなら、車のヘッドライトやテールランプが線状の光として残る“光跡”を狙うのがお勧め。
スローシャッター(シャッターを長時間開けて撮影する技法)で車を捉えれば、躍動感あふれる一枚が撮れるでしょう。
堀之内東山そよかぜの道の所在地:東京都八王子市東中野
オレンジ色に染まる住宅街を望む
続いては、大阪南部にある公園「阪南スカイタウン展望緑地」を紹介します。
公園の駐車場から、木製の階段を登ること約15分。少し息切れする頃、展望台に到着します。そこからの眼下には、住宅街「阪南スカイタウン」が広がります。