富山県射水市は地震による液状化現象対策として地下水位を下げる「地下水位低下工法」の実証実験を進めるため、2日に水を集める管の設置が始まりました。
*リポート
「いまクレーンで集水管が一つずつ、地下3.5メートルへと運び込まれています。」
射水市港町地区は能登半島地震により古新町西部を中心に液状化の被害があり、自治会によると15世帯が家が傾くなどして町を離れました。
市は対策工事として「地下水位低下工法」を検討し、先月、県内の他の被災自治体に先駆け、実証実験に向けた工事を本格化させています。
地下水位低下工法は、エリアを区切り地盤に含まれるの水を人工的にくみ上げる工法です。
地下水位を低くすることで地盤を強固にし、液状化が再び起こるのを防ぎます。
2日朝は作業員が、地下水を集める「集水管」、合わせておよそ12メートルを地下3.5メートルに設置しました。
集水管は樹脂メッシュで作られた直径およそ30センチの管で、砂などを通さず、水だけを集められるということです。
*射水市 液状化対策・市街地整備班 西村隆班長
「住民のみなさんへ安心・安全を届けるための第一歩。実証実験を通じて地下水位低下工法の有効性を見極め、今後の本工事につなげていきたい」
市は工事を来月完了し、12月から半年間の実証実験に入りたい考えで、地下水をくみ上げることで、想定通り地下水位が下がるか、また、地盤が沈下しないかなどを確認することにしています。
市はこの工法で浅いところでは地下60センチほどの現在の地下水位を、地下3メートルまで下げられると試算しています。
まずは工事の効果と安全性を確認したうえで、大きな課題である設備の維持管理費の議論を進めていく必要があります。