朝晩が一気に涼しくなり、秋の訪れを感じるようになりました。

そこで今回は鹿児島に秋を告げる魚、バショウカジキこと「秋太郎」の話題です。

水揚げの様子から食堂の鮮度抜群の人気メニューまで、「秋太郎」の魅力をたっぷりお伝えします。

日置市の江口漁港。

まだ夜も明けやらぬ午前3時半。

港に着いた漁船に積まれているのは、今が旬のバショウカジキです。

鹿児島では「秋太郎」の愛称で親しまれ、秋を告げる魚として知られています。

この日は一日で60匹以上が水揚げされ、今シーズンで一番の大漁に。

2025年は漁が始まった9月初めこそ、例年と比べて水揚げが少なかったそうですが、徐々に数を回復していて、さらに漁師たちはその大きさにも自信をのぞかせています。

江口漁協職員
「肥えてる~」

漁師
「肥えちょどが。良か型やっどが」

江口漁港で水揚げされるバショウカジキは甑島沖の東シナ海で、流し網漁で採られたもの。

通常なら重さは20キロほどですが、時には40キロを超える大物が水揚げされることも。

漁師
「秋太郎はあまり(市場に)出回らない珍しい魚だと思うので買ってもらいたい」
「鮮度の良い秋太郎をお客に提供できるよう心がけています。10月になって脂が乗ってくるので一段とおいしいと思います」

こうして水揚げされた「秋太郎」。

出荷先のひとつが漁協直営の物産館「江口蓬莱館」です。

プロの手で手際よくさばかれていきます。

江口蓬莱館・若松健一郎料理長
「これは良いやつですよ、かなり。秋太郎は(身が)オレンジ色になる頃が一番おいしい。この時期ではマグロよりはるかにおいしい。本当は筋が多い魚だが口の中で溶けるというか」

「江口蓬莱館」の自慢が、新鮮な海の幸が並ぶ鮮魚売り場。

大きなバショウカジキがまるごと飾られ、売り場の主役を務めます。

一方、江口蓬莱館と言えば鮮魚と並ぶ人気を誇るのが、昼食時になれば行列ができるレストランです。

もちろんこちらでもこの時期限定で、定食や寿司などのメニューにバショウカジキが登場。

来店客からは注文がやみません。

来店客(北海道から)
「めちゃくちゃ脂乗ってるんですけど、うん本当、すごいうまい。初めて食べました。(普段)カジキ食べないですし、採れないですし、こんなに脂が乗っているとは思わなかった」

こちらが人気の定番メニュー、さしみ定食。

新鮮な海の幸を提供するため、刺身のネタはその日の水揚げによって変わりますが、この時期、旬のバショウカジキだけは必ず登場!

キラキラとした断面からも脂の乗りを感じます。

薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「赤身のさっぱり感と脂の甘さが混ざって、奥深い味がします」

江口蓬莱館・若松健一郎料理長
「江口産の秋太郎は、非常に脂が乗っていて、鮮度も良いので、今しか食べられない、せっかくの秋にとれる秋太郎を皆さんに味わっていただければすごくうれしい」

鹿児島に秋を告げる「秋太郎」。

深まる秋とともに一層脂が乗り、おいしさが増す鹿児島の旬の味をあなたも味わってみませんか?

江口漁港でのバショウカジキの水揚げは10月下旬頃までが最盛期で、「江口蓬莱館」ではシーズンが終わると、県内のほかの地域でとれたものに切り替わるということです。

鹿児島テレビ
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