学校に教科書などの教材を置いておく、いわゆる“置き勉”。自分の頃を思い出し、禁止されていたという人も多いのではないだろうか。しかし今、置き勉が推奨されているという。一体なぜ?その背景を取材した。
「当然持って帰るものだと」“置き勉”以前は禁止も…今は推奨?
9月25日まで開かれていた新潟県三条市議会の9月定例会。そこでの市の答弁が話題になっている。
それが、“置き勉の推奨”だ。きっかけとなったのは、「中学生の通学の荷物が重いのではないか」との議員からの質問だった。

これに対し、市は「家庭学習に必要のない教科書等があれば学校に留め置き、荷物を軽くするよう指導している」と答弁。
教材を学校に置いて帰る、いわゆる“置き勉”。以前は学校で禁止されていたという人も多いのではないだろうか。
街で聞いてみると…
60代男性:
持ち帰りしていた。昔は、みんなそうだったから。
60代女性:
当然持って帰るものだというふうに、生徒も学校もそのころは認識していたのでは。
30代男性:
(置き勉を)小・中はするなと言われた。みんな隠してやっていたけど。
20代女性:
ダメだと言われていたが、重くて無理。
文部科学省からの通知もとに“推奨”の流れ広まる
街の人からは「置き勉を禁止されていた」「教材を持って帰るのが当然だと思っていた」という声が聞かれたが、一体いつから置き勉が推奨されるようになったのか…
三条市学校教育課の相田覚課長は「平成30年に文部科学省から出された通知をもとに、学校の方にも通知をしている」と回答。

その通知では、「教材や学用品などが重くなっていることで、児童・生徒の体の健やかな発達に影響が生じかねないなどの懸念が寄せられている。荷物の重さや量について、必要に応じ適切な配慮を講じるようお願いします」と書かれている。
これにより、全国で置き勉を推奨する流れが広まったという。
教科書+水筒・タブレット…以前に比べ荷物の量増加
相田課長は「学習用具について、通知以前は基本持ち帰りということで指導していたというふうに思っている。大きくなったり、紙の質がよくなったりということで、かなり前と比べれば教科書自体も重くなっていると思う」と話した。

教材自体が重くなっていることに加えて、三条市では熱中症対策として児童・生徒に水筒を持参するよう指導。
さらに、今は1人1台タブレット端末が配布されているため、以前と比べ、荷物の量が増えている。
そのため、三条市では宿題などの家庭学習に必要な教材や洗浄が必要な水筒、充電が必要なタブレットは持ち帰り、それ以外は学校のロッカーに置いておいていいとしている。

相田課長は「子どもたちが必要なものを持って帰らないということは逆によくないので、きちんと必要なものは持って帰るように改めて指導が必要だと思っている」と話す。
子どもたちの安全や健全な成長のため…学校現場の指導のあり方も時代によって変わっている。
(NST新潟総合テレビ)