鹿児島県が2026年度当初予算案に盛り込んだ外国人観光客への九州新幹線運賃助成事業をめぐり、県民から「外国人優遇だ」「不公平だ」との批判が170件余り寄せられている。塩田知事は県議会で「決して外国人優遇ではない」と理解を求め、県経済への波及効果を強調した。

約2億7800万円で外国人観光客誘致

県が予算計上したのは、県内に1泊以上する外国人観光客を対象に、九州新幹線の博多からの片道分運賃を助成する事業である。約2億7800万円が計上されており、鹿児島空港の国際線回復が遅れる中、直行便以外のルートで外国人観光客を誘致する狙いがある。

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県の最新統計によると、外国人1人あたりの平均観光消費額は約8万6000円に上る。県はこの事業により2万人の利用と、県内での17億円の消費を見込んでいる。

「1万円で8万6000円の消費創出」

県民からの批判に対し、塩田知事は県議会で次のように説明した。

「決して外国の方を優遇することではなくて、(新幹線の運賃)1万円を配るというよりは、1万円を使うことで8万6000円に増やして、県民の稼ぐ力の向上に役立てたいと県民に認識・理解してもらえたら」

知事は制度の趣旨について、「情報をしっかり理解してもらう努力が必要」と述べ、県民への説明の必要性を認めた。

途中下車でも助成対象に

この事業をめぐっては、途中下車の扱いについても議論が交わされた。県観光・文化スポーツ部の桑代毅彦部長は「出水駅・川内駅で下車した場合でも対象となる」と説明し、地域全体への波及効果を狙う姿勢を示した。

県は「旅行予約サイトの特設ページに、周辺の観光地情報や二次交通の情報を掲載するなど、地元自治体や観光関連事業者等とも連携して、地域の周遊観光に資する取り組みを行っていきたい」としており、単なる運賃助成にとどまらない総合的な観光振興策として位置づけている。

農業被害も8億4000万円

一方、3月3日の県議会では、2月8日の積雪や低温の影響による農業被害の状況も明らかになった。南薩地域の豆類や北薩地域のバレイショで、合わせて8億4000万円の被害が確認されている。

県農政部の大平晃久部長は「出荷の遅れや収量の低下が予想されることから、今後の状況を踏まえた上で最終的な被害額等を判断する」と述べ、被害の拡大に警戒を示した。

外国人観光客への助成事業については、県民の理解を得られるかどうかが今後の焦点となりそうだ。観光による経済効果と県民感情のバランスを取りながら、効果的な観光振興策の実現が求められている。

(動画で見る▶博多→鹿児島の新幹線片道を助成へ 県が外国人誘致に約2.78億円計上、県民から批判170件超の波紋)

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