止まらない物価高。
民間の調査会社によりますと、今年に入ってから9月までに値上げされた食料品と飲料は、すでに1万6千品目を超え、10月からも新たに3000品目以上が値上げされます。
「値上げラッシュ」とも言われ、家計の負担がさらに増えるなか、節約のコツを専門家に聞きました。

買い物客
「(値上げは)すごくショック。家のおかずが減ってきている、ごはんと梅干しだけになってしまいそう」
「頼まれて買いに来るけど、自分のだったらこんなに高いのは買わない」

終わりの見えない、物価高と値上げラッシュ。スーパーでは…

ヨークベニマル仙台上杉店 店長 鈴木正浩さん
「こちらのカレーは最近では100円前後値上がりしてきている。この辺の油関係についても、100円前後値上がりしている。いつも買われている金額よりもオーバーするので、消費者の買い控えは当然あろうかと思う」

民間の調査会社、「帝国データバンク」が国内の主な食品メーカー・195社を対象に実施した調査によりますと、10月に値上げされる食料品や飲料は、去年の同じ時期と比べて100品目多い3024品目に。
3000品目を超えるのは、半年ぶりです。

主な品目では、「酒類・飲料」が2262品目と全体の7割を超え、次いで冷凍食品などの「加工食品」が340品目、味噌などの「調味料」が246品目などとなっています。
※次いで「乳製品」119品目、「菓子」39品目、「パン」18品目

原材料の高騰や、人件費の上昇などが値上げの主な要因ですが、食料品の値上げは家計を直撃します。

買い物客
「切り詰めた分どこかでガス抜きしなきゃならないから、そういう時は外食したりするが、食費は生活に必ずかかってくるものなので厳しい」

食費はなかなか削れない、という声も。
そこで今回は、今すぐ実践できそうな節約につながる買い物術を、ファイナンシャルプランナーの西村和敏さんに教えていただきました。

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「これからも値上げは続くと思うが、お得に買い物ができるように、普段使っているスーパーの商品の値段をチェックしていただきたい」

まず向かったのは、値上げ品目数が最も多い飲料コーナー。
大手各メーカーは、10月出荷分から1製品あたり20円から30円ほど値上げしていて、こちらの店舗でも段階的な値上げが予想されています。

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「飲料品は嗜好品なので節約を頑張ろうと思えばできる。買い過ぎてしまって毎日飲んでしまうと家計にも響く。飲みたいときに買って飲んでいただく。1日1本など(目標をたてて)目標を達成できるように頑張っていただければ。」

ポイント:「嗜好品は買いだめしない」

また、割安な大容量商品もついつい飲みすぎたら逆効果…。「何日で飲み切る」と明確に決めておくのが節約のポイントだそうです。

一方で、「まとめ買い」が節約につながる商品もあるそうです。

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「冷凍食品は基本的にストックしてほしい商品。冷凍食品自体が、(冷蔵庫全体の)保冷剤代わりになる。それによって(庫内の)全体的な温度を下げる効果がある」

ポイント:「冷凍食品は買いだめ」

冷凍庫の中を、ある程度一杯にしておくことで庫内の温度が安定し、電気代の節約につながるそうです。

続いて、葉物野菜コーナー。西村さんは、スマホで何かを調べ始めました。

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「きょうは小松菜のほうが安かったので小松菜と、家に鶏肉と牛乳が残っていたので、小松菜・鶏肉・牛乳のレシピとスマホで検索し、これらで作れる料理は何かと調べていた」

相場の変動が大きい葉物野菜は、その日の特売品と家にあるもので何ができるか、その場で検索してみると節約のヒントが見つかります。

ポイント:「食材の組み合わせをスマホに聞いてみる」

そして、買い物上手が利用しているのが…

買い物客
「“チラシ”は必ずネットで全部チェックして、自分が欲しいものがある日に買い物に行っている」

お買い得情報が満載の、チラシ。新聞の折り込みチラシは多くがそのままインターネットに掲載されます。
また、LINEなどで特売情報や割引クーポンなどを配信する店も増えています。

チラシには、読み解く“ポイント”もあるそうで…

ヨークベニマル仙台上杉店 店長 鈴木正浩さん
「(チラシは)オモテ面が日替わり商品になっているが、“一家族何個限り”や“何袋限り”と表示があるものは通常価格よりもかなり安くなっている商品になるので、かなりお買い得」

ポイント:「〇〇限りはかなりお得」

そして、コスパの観点から注目だというのが…

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「こちらはカレールーだが、“プライベートブランド”がある。値段が同じ量でも安くなっている」

小売店が独自に開発することで、メーカー広告費や流通コストを抑え、低価格を実現している「プライベートブランド」。

お酒やパンなど日常的に買う商品も、同じ容量で比べてみると、プライベートブランドはメーカー品よりも安いものが多い。

ファイナンシャルプランナー 西村和敏さん
「この値段でこの味だったら全然いいんじゃない?という発見があるかもしれないのでぜひ一度、プライベートブランドを食べてみてほしい」

ポイント:「プライベートブランドはコスパ良」

物価高、値上げラッシュのなか、少しでも家計の負担を減らすため工夫できることはありそうです。

食料品や飲料の値上げで、家計の負担増は免れない状況ですが、他にも10月から、私たちの暮らしに関わる制度の変更があります。

例えば、電気・ガス料金は、政府による補助金が10月請求分をもって終了するため、11月請求分から請求額が増えることになります。
東北電力では、使用量が平均的な家庭で、前の月より520円多い8501円としています。

また、ふるさと納税は、10月から仲介サイトを通じた寄付によるポイント付与がなくなりました。

一方、宮城県内の最低賃金は、10月4日から65円上がり、1038円となります。
引き上げ幅は過去最大で、宮城県で1000円を超えたのは初めてです。

仙台放送
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