熊本市は、職員が誤った説明をしたことにより、親に代わって子ども2人を養育する親族が児童扶養手当、約30万円を受給できなかったと発表した。熊本市は謝罪した上で、親族に全額を支払っていて再発防止に努める方針だ。

熊本市職員の誤った説明で受給できず

職員が誤った説明をしたのは、児童扶養手当制度について。この制度は、ひとり親家庭の母親または父親のほか、父親や母親に代わって子どもを養育する人に対して、手当が支給されるもの。

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熊本市によると、2025年2月に親に代わって子ども2人を養育することになった親族からの問い合わせに対し、担当職員が「子どもとその祖父母が養子縁組をしても、親族は児童扶養手当を受給できる」と回答。

しかし、本来は子どもが祖父母と養子縁組をした場合には、戸籍上、祖父母が実の両親と同じ扱いになるため、親族は児童扶養手当の受給対象にはならないという。

5カ月分28万8600円を熊本市が支払う

親族らは職員からの説明を受けた後、祖父母と子どもたちの養子縁組を届け出。その結果、親族は2025年4月からの5カ月分、合わせて28万8600円を受給できなかったという。

最初の相談から約1カ月後、手続きを進める中で担当職員が誤った回答をしたことに気が付き、熊本市は親族に謝罪し、全額を支払ったという。また、親族は子どもたちと祖父母との養子縁組を解消し、児童扶養手当を申請している。

熊本市は、複雑な内容の問い合わせや相談に対しては、口頭ではなく記録を残して可視化し、情報共有するなどして再発防止に努めたいとしている。

(テレビ熊本)

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