人材確保が課題となっている海上保安庁。「最大かつ最新鋭」の練習船を使って、若い世代への懸命のアピールを行いました。

大きなサイレンを鳴らしながら現場に急行するヘリコプター。

瀬戸内海で起きる船舶事故などに備え、海上保安庁が行っている迅速な救助・救急活動の訓練が先日、一般に公開されました。

【鈴木デレクター】
「こちらが去年大型化された海上保安庁の船です。やはりこうやってみるとかなり大きいですね」

全長134メートル去年7月に配備された海上保安大学校の練習船「いつくしま」その船で先週土曜日に行われたのが…。

【鈴木デレクター】
「こちらの部屋では海上保安官募集という立派なポスターがはられていてこちらではいま相談にのっていますねかなり熱心に説明しています」

船上で海上保安庁の仕事をアピールする「体験航海」。

【練習船いつくしま:溝口直樹船長】
「いま海上保安庁は人が足りない状況が続いている。ぜひ海に興味がある人を助けたい人を守りたいという方に来ていただきたいと思っている」

「いつくしま」は増加する学生・研修生への対応や効率的な乗船実習を行うためにつくられた、海保にとって「最大かつ最新鋭」の練習船。しかし、昨年度の海上保安大学校の学生採用試験では実質倍率が「過去最低水準」となりました。

こうした背景もあり今回、特にターゲットとしたのが中高生など若い世代です。

【職員と学生のやりとり】
「(船の下のエンジンルームで)「エンジンを動かす機関科にいるが、どちらかというと理系とか工学系だが文系の私でもできているのでそんなに気にせずに(応募してください)…」

船内の居住スペースでは愛媛県松山市から来た「高校3年生」が船上生活を体験。

【高校生の保護者】
「ワイファイもついて充実していますね」
【海上保安官】
「そうですね、今そういうところで通信環境が整っているというのが良いという人もいるので」
【高校3年生】
「Q:ワイファイがあると良い?」
「やっぱり家族とかに連絡ができるので長期間連絡ができないのは少し寂しい感じがするので」

海上保安官を夢見たのは今年の1月。たまたま訪れた店で行われていた海上保安庁の「啓発イベント」がきっかけで、この数か月、進路選択への思いを固めてきたといいます。
【高校3年生】
「料理は学生がつくる?」
【海上保安官】
「主計科に所属している乗組員の方が調理を専門にしてくれていてかなりおいしい」
【高校3年生】
「Q:一番心に残っているのは?」
【海上保安官】
「麻婆豆腐!」「ぜひ頑張っていただければ」
【高校3年生】
「ありがとうございます」

この日参加したのは、小学生から大学生までの数は108人。

【高校2年生】
「人間関係とか厳しいのかなと思っていたが、思ったよりも朗らかな感じだったのがすごい魅力的だなと思った」

【第六管区海上保安本部:小野雄介本部長】
「各国のコーストガードと交流したり訓練があったりする」
「乗ってみたくなったでしょ?」
「揺れても(船は)結構大きいので大丈夫」

瀬戸内海などを管轄する「六管のトップ」も、高校生に熱くアピールしました。

【第六管区海上保安本部:小野雄介本部長】
「まだまだ仕事とは結び付かないかもしれないがこの機会に船っていいなとか海っていいなと思ってもらえたらいい」

テレビ新広島
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