長野県は、クマの餌となるドングリ類の実り具合を調査した結果、県北部は全体的に不作で、人里への出没リスクが高まっていると発表しました。農作物の適切な管理やクマと遭遇しないための対策を呼びかけています。

9月になり全国で相次ぐクマによる人身被害。県内でも長野市戸隠で9月27日、78歳の女性が農業用ハウスに入ろうとしたところ中から親子とみられるクマに襲われけがをしました。

里地での目撃も増えていて、県は9月29日、長野地域と北アルプス地域に「出没注意報」を出しました。県北部では、冬にかけても注意が必要だと言います。

県 森林づくり推進課・宮坂正之担当課長:
「(今年)夏が非常に暑かった、植物が影響を受けて今まで通りの(ドングリ類の)実がつけられなかった」

クマの餌となるドングリ類の実り具合について県は9月29日、調査結果を発表しました。

栄養価の高いブナは、全県で「大凶作」から「凶作」、ミズナラやコナラは県北部で不作などとなっています。

クマはこれから冬眠に備えて餌をしっかり食べる時期となりますが、山に餌が少ない県北部では、里地に出没するリスクが高まっているとしています。大事なのが、餌となる農作物や生ごみなどの管理です。

県 森林づくり推進課・宮坂正之担当課長:
「カキやクリの取り残しをクマが狙ってきますし、生ごみとかを外に放置してしまうとそれにつられてクマがやってきてしまうと考えられるので、適切な処理をしていただきたい」

また、山林に近い里地では、人の存在を知らせ、「クマと遭遇しない」ための対策も心がけてほしいとしています。

県 森林づくり推進課・宮坂正之担当課長:
「(一番大事なことは)クマに人の存在を知らせる、それによってクマとの距離をしっかりとる。クマ鈴をつけるとか、ラジオを携帯する、複数人でしゃべりながら歩くことで、クマに人間の存在を知らせることができる」

長野放送
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