80年前の沖縄戦で破壊されたり、海外に持ち去られたりした文化財・戦災文化財をテーマにした特別展が那覇市の県立博物館・美術館で始まりました。

激しい地上戦で多くの住民が犠牲になった80年前の沖縄戦では、先人たちが生み出した数々の貴重な文化財も失われました。

30日に開幕した特別展では戦後、がれきの中から拾い集められ保存された文化財のかけらなどが展示され、また沖縄戦の混乱の中で流出した美術工芸品を取り戻すため尽力した人々の歩みを紹介しています。

円覚寺の総門に安置されていた仁王像の腕や足は現在、阿形と吽形あわせて13の部材だけが残っています。

戦利品としてアメリカに持ち去られた文化財もありましたが、戦後これらの捜索と返還に多くの人が力を尽くし、1953年には琉球王国時代に編纂された「おもろさうし」や琉球王国の正史「中山世鑑」などが沖縄に戻ってきました。

県立博物館美術館 崎原恭子主任学芸員:
復興していくとなると、とても苦しいマイナスからの出発だったという状況。そのような中、がれきの中で埋もれていた仏像や石碑、そういう文化財を集めてきた方々もいらっしゃいます。先輩方のその時その時のタイミングでの活動。それがいまにつながって、さらに未来につながっていくことをぜひ展覧会で確認いただけたらいいなと

会場には戦後80年に合わせて未来へ伝えたい平和を求める沖縄の姿として、県民が撮影した写真105点も展示されています。

特別展「戦災文化財」は11月30日まで開かれています。

沖縄テレビ
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