プレスリリース配信元:紀尾井町戦略研究所
- 外国人増に伴う課題の上位は治安、ルール違反、文化摩擦、不法滞在 -
[KSIオンライン調査] 外国人政策に関する意識調査
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都港区、代表取締役社長:別所直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたオンライン調査を行っています。
■調査の概要
2025年7月の参院選では外国人政策が争点の一つとなり、選挙期間中に政府は「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設置しました。また、8月には法務大臣勉強会による「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理」が公表されました。外国人政策をめぐる世論の関心も高まる中、9月9日と10日に、全国の18歳以上1,000人を対象にオンライン調査を実施しました。
■調査結果サマリ
自身が住む地域における外国人住民の割合について、どのように感じているか聞くと、「中程度」が41.6%、「低い」34.0%、「高い」13.5%だった。「わからない」が10.9%。
在日外国人と交流「したい」39%「したくない」50%
日本にいる外国人と交流したいと思うかどうか聞くと、「交流したいとは全く思わない」「あまり交流したいとは思わない」が計50.8%を占め、「積極的に交流したいと思う」「機会があれば交流したいと思う」が計39.9%となった。「わからない」は9.3%だった。
日本にいる外国人と「交流したいとは全く思わない」とした人を年代別に見ると、20、30代は2割台で、40~60代は1割台、70代以降は一桁となり、大まかに年代が低いほど割合が多い傾向があった。 職業別では、会社の正社員・団体の正職員、年金生活・無職が2割台で最も多かった。居住地域の外国人住民割合認識別では、「高い」とした人が2割台で他は1割台だった。支持政党別では、参政党と日本保守党がいずれも3割台で最多だった。
過去3年ほどで、身の回りに外国人が増えたと思うかどうか聞くと、「増えた」が65.6%に上り、「変わらない」26.5%、「減った」1.3%だった。「わからない」は6.6%。
「増えた」と感じる人を地域別に見ると、沖縄が8割台でトップとなり、次いで関東の7割台だった。
国立社会保障・人口問題研究所による2023年「日本の将来推計人口」の出生中位・死亡中位推計によれば、常住する外国人を含んだ日本の生産年齢人口(15~64歳)は、2020年の約7,509万人から、40年には約6,213万人、70年には約4,535万人へと減少が見込まれる。このことに「危機感がある」が67.5%に上ったのに対し、「危機感はない」が19.4%、「わからない」は13.1%だった。
「危機感がある」とした人を地域別に見ると、四国が4割台で突出して低かった。他の地域は全て7~6割台だった。
外国人受け入れ「やむを得ず」5割「原則反対」3割
日本の生産年齢人口の減少が見込まれる中で、社会を維持するための外国人受け入れについての考え方として、最も近いものを選んでもらうと、「一定程度の受け入れはやむを得ない」が52.4%を占め、「原則的に受け入れるべきではない」が34.4%。「積極的に受け入れるべきだ」は4.7%となった。「わからない」は8.5%。
「原則的に受け入れるべきではない」とした人を年代別に見ると20~50代はいずれも3~4割台だったのに対し、60代以上の各層はいずれも2割台だった。居住地域の外国人住民割合認識別では、「高い」が4割台で最多だった。支持政党別では、保守の7割台が最多で、参政の6割台が続いた。一方、日本維新の会と公明党は1割台で最低だった。
自身が住む地域で外国人の人口・割合が増えるとした場合、地域社会に与える影響について「悪い影響が多いと思う」が50.1%で最多となり、以下は「良い影響・悪い影響は同程度だと思う」34.9%、「特に影響はないと思う」4.9%、「良い影響が多いと思う」2.9%と続いた。「わからない」は7.2%だった。
「悪い影響が多いと思う」とした人を居住地域の外国人住民割合認識別に見ると、「高い」人は6割台、「中程度」は5割台、「低い」が4割台だった。支持政党別では、保守で8割台、参政で7割台、チームみらい6割台の順に多かった。一方、共産党は2割台、立憲民主党、公明、れいわ新選組で3割台だった。
2040年に国内で外国人割合10%の試算に「懸念」7割
鈴木馨祐法相は2025年7月30日の記者会見で、日本の総人口に占める外国人の割合について、早ければ40年に10%を超すとの推計もあると述べた。「日本の将来推計人口」では外国人の割合が10%を超えるのは70年とされており、最大で30年前倒しとなる可能性がある。このように、想定より早いペースで増加するとの見通しについて、「懸念がある」が70.0%に上ったのに対し、「懸念はない」は15.7%。「わからない」は14.3%となった。
「懸念がある」とした人を居住地域の外国人住民割合認識別に見ると、「高い」では8割台に上り、「中程度」で7割台、「低い」は6割台だった。支持政党別では、保守で9割台、参政で8割台となった一方、共産は3割台で突出して低かった。
日本における外国人の人口が増えることで期待できることを複数回答で聞くと、「特にない」23.0%を除けば、上位は「人手不足の緩和」58.6%、「異文化交流、多様性容認の促進」24.4%、「地域経済の活性化」19.3%、「人口減少の抑制」18.9%、「税収の増加」18.3%の順となった。
外国人増の課題上位は治安、ルール違反、文化摩擦、不法滞在
現在、日本における外国人との関係で、または外国人が増えることで課題になると思う点を複数回答で聞くと、「安全・治安対策」74.2%がトップとなり、「生活ルール(ごみ分別・交通等)の理解不足」65.0%、「文化・慣習の違いに伴う摩擦」62.2%、「不法滞在者への対応」52.4%、「言語コミュニケーション」45.1%と続いた。
全国知事会は2025年7月、国の責任で多文化共生施策を進めるため、新たな受け入れ基本戦略の策定や、体系的・総合的な基本法の制定等を提言したが、こうした基本法の策定に「反対」38.3%、「賛成」28.4%、「わからない」33.3%と分かれた。
「反対」とした人を居住地域の外国人住民割合認識別で見ると、「高い」で5割台、「中程度」は4割台、「低い」で3割台となった。支持政党別では、保守が7割台、参政が6割台となったのに対し、立憲、維新、共産、みらいはいずれも2割台だった。
政府は国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野で、一定の専門性・技能があると認められた外国人に在留資格を与えている。現在受け入れ対象となっている16分野の中で、人手不足について特に深刻だと考える分野を複数回答で選んでもらうと、上位は「介護」69.7%、「農業」48.0%、「建設」36.7%、「漁業」29.1%、「林業」22.1%の順となった。
外国人政策として、政府や自治体に優先して取り組んでほしいと思う政策を複数回答で聞くと、上位は「不法滞在者の取締強化」68.5%、「生活ルール(ごみ分別・交通等)の周知徹底」62.3%、「社会保険・税の未納付防止」54.4%、「不動産取得の規制」43.5%、「日本語教育環境の整備」28.2%などとなった。
外国人地方参政権「反対」50%「賛成」25%
永住者・特別永住者など在留資格が安定した定住外国人への地方参政権付与について、「反対」が50.8%を占めたのに対し、「賛成」25.0%となった。「わからない」は24.2%。
「賛成」とした人を年代別に見ると、70代以上が唯一3割台で最も高かった。居住地域の外国人住民割合認識別では「低い」が3割台で最多となり、「高い」は2割台だった。支持政党別では、共産とれいわが5割台で最も多かったのに対し、保守は一桁、国民民主党、参政が1割台だった。なお、「反対」とした人を居住地域の外国人住民割合認識別で見ると、「高い」とした人では6割台に上った。
政党支持率は自民党12.3%(前回25年8月6日調査13.3%)、国民民主党7.3%(8.0%)、立憲民主党6.1%(7.5%)、参政党5.2%(4.2%)、日本維新の会4.9%(4.6%)、れいわ新選組2.8%(3.4%)、日本保守党2.0%(1.9%)、共産党1.8%(1.7%)、公明党1.3%(0.8%)、チームみらい0.8%(0.4%)、社民党0.1%(0.2%)、その他の政党・政治団体0.8%(0.9%)、支持する政党はない51.4%(50.7%)。
調査レポート(クロス集計あり)の詳細
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2025/web-research-100.html
紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について
KSIは2017年にヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。
その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ(ロビイング、政策渉外)領域で総合的なコンサルティング行っているほか、クライシスマネジメント支援、KSI官公庁オークション、地方創生やデジタル化支援、シンクタンク活動、調査事業、政策関連のメディア事業などを通じ、社会の新たな可能性を切り拓く取り組みを続けています。
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