県内の肥満症治療の新たな選択肢となることが期待されます。熊本大学病院は、肥満症を治療するため胃の一部を切除する手術を県内で初めて行ったと発表しました。
【中原理菜アナウンサーリポート】
「こちらが熊大病院の肥満症治療センターです。県内で初めての肥満外科治療が行われています」
『肥満症治療センター』は肥満に糖尿病や高血圧などを合併し医学的に減量を必要とする人を治療するため、去年11月に開設。
8月、県内で初めて胃の一部を切除する手術を行ったと29日発表しました。
【腹腔鏡下スリーブ状胃切除術】
【熊本大学病院 平井 俊範 院長】
「肥満症治療センターにおける1例目の手術を無事に終えることができた」
胃の4分の3を切除することで食事量を減らし食欲を増進させるホルモンの分泌を抑える効果が期待されます。1例目となったのはBMIが35以上だった県内在住の40代女性。
手術から約1カ月が経過した現在の体重は初診から約15%減っていて「食欲はあるがすぐに満腹になる」と話しているということです。
【熊大病院肥満症治療センター 岩槻政晃 副センター長】
「外科治療をいきなり入り口としてすることはない。内科治療もしくは運動や栄養指導だけで改善するのが望ましいが、症例が難しい場合に最後の砦として手術がある」
熊大病院によりますと、県内の糖尿病やその予備群の数は全国2位の多さ。手術は、運動・食事療法や内科的治療でも改善が見られずBMI32以上の人を対象に保険適用で行われ、外来の予約は年内いっぱい埋まっているということです。