「有名人から儲け話が…」そんなうまい話には裏があると思った方が良い。宮崎県内でSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が拡大し、2025年の被害額は7月末時点で5.3億円を超えた。前年同時期に比べ約9000万円増えている。有名人をかたる広告からLINEグループへ誘導する巧妙な手口、そしてその対策について取材した。

 有名人をかたる広告が入口に…

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宮崎市在住の60代男性が、その巧妙な手口の一端を語った。

男性は2025年7月、インターネット上で投資に関する広告を目にしたという。

男性:
『堀江貴文と申します、優良株を無料で提供します』という風なコンテンツのニュースですね。あれ(投資の広告)を見ると、もう入ってくるというような感じですね。

LINEグループでの巧妙な勧誘

その後、男性はLINEグループに招待され、投資の話を持ちかけられた。グループに招待されると、まず代表者があいさつし、「このグループはこういう勉強会のために立ち上げたグループです。みんなで協力してやっていきましょう」と説明があったという。

続いてアシスタントを名乗る女性が登場し、「このグループでは、色々な情報を提供していくのでよろしくお願いします」と述べたという。

そこから毎日グループ上で勉強会が開かれ、アシスタントから優良銘柄が紹介されたという。グループには約70人が招待されており、積極的に投資についてコメントする人物もいたことから、男性は「サクラの人間も複数いたのでは」と推測する。

「利益600%」あり得ない話

「最初はそういう株式とは…取引とは…というような情報交換を毎日やっているわけですよね」と男性は振り返る。

しかし、約3週間が経つと「グループで大きい金額の資金を集め、みんなで投資していきましょう」という取引の話が始まったという。

男性:
(利益)600%というのはありえないと思った。どうしても先々にお金を増やしたいと思う人はその言葉に釣られてしまうというのはあるのかなと思う。

男性はインターネットで検索したところ、堀江氏の名前をかたった詐欺が多いことを知り、「これもそうかなと」と不審に思ったという。男性は一度もLINEで返信をしなかったため、幸いにも被害はなかった。

警察が語る詐欺の特徴

宮崎県警察本部生活安全部の本田敏郎統括官は、近年の手口の特徴について次のように説明する。

宮崎県警察本部生活安全部 本田敏郎統括官
特徴としては、有名人や投資家を騙ったアカウントからのダイレクトメッセージやYouTubeなどの広告動画、そこから投資名目の広告が流れてそのリンクを押すと、LINE等の別のSNSアプリのほうに誘導されて、言葉巧みに騙されて投資をしてしまうという被害が増えている。

被害を防ぐための対策とは

では、被害に遭わないためにはどうすればよいのか。

宮崎県警察本部生活安全部 本田敏郎統括官:
まずSNSのダイレクトメッセージが送られてきた場合、冷静に考えて、有名投資家や芸能人、著名人の方がダイレクトメッセージを送ってきて儲け話をするのはまず考えにくいのではないかと思う。フェイク動画や著名人を装った動画を流して言葉巧みに誘導するという手口なので、まずはダイレクトメッセージや広告動画をむやみにクリックしたりとか、登録をしたりしないということをお願いしたい。

SNS型投資・ロマンス詐欺の被害者を年代別にみていくと50代29%、30代・40代・60代が20%、その他が11%で、幅広い年代が被害にあっていることがわかる。

どのような対策をとっていけば良いのか。

・ダイレクトメッセージや広告動画をむやみにクリック、登録しない。

・有名投資家や芸能人からのSNSダイレクトメッセージは疑う。

・投資で振り込む際、口座が個人名義、外国人名義の場合は詐欺と疑う。

警察の相談窓口:#9110

警察では、最近の詐欺の手口についてホームページやXで公開している。最新の手口を知り、家族で共有することで、大切な財産を守ることが求められる。

(テレビ宮崎)

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