マンションから吹き出る炎。消防隊員は、消火準備を進めている。

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25日未明に東京・杉並区で起きたマンション火災。

火元はまたもやモバイルバッテリー。今回はスマートフォンを充電中だったという。
本来の使い方をしていたとみられているが、なぜ出火したのか。

激しい炎と悪煙が…

火災は、25日午前2時前に発生した。

現場は5階建てのマンション。

火元とみられる2階の部屋からは、激しい炎とともに悪煙が立ち上っている。

火は2階の一部屋、20m²ほどを焼いて、約2時間後に消し止められた。

この部屋に住む10代の女性など、男女合わせて6人が煙を吸うなとして病院に搬送されたという。

警視庁によると、火元の部屋に住む女性は、出火当時の状況についてこう証言しているという。

「モバイルバッテリーをスマホにつないで寝ていたところ、『ボン』という音がして見たら、モバイルバッテリーから火が出ていた」

モバイルバッテリーでスマホを充電している最中に起きた、いわゆる“モバ充火災”とみられる。

専門家「不良品や劣化状態だった可能性」

こうしたモバイル火災は7月、山手線内でも発生。

この火災で火元となったモバイルバッテリーは、発火などの恐れがあるとして、リコールの対象だったことがわかっている。

25日朝の火災について、専門家はモバイルバッテリーが不良品や劣化状態だった可能性があるとして、次のような危険性を指摘する。

関西大学化学生命工学部・石川正司教授:
スマホ側ではなくてですね、(劣化状態の)モバイルバッテリーがその100%充電に近い時の方が、危険性は高いです。
(劣化状態だと)溜まってるエネルギーが正常な使われ方ではなく、発火などそういうトラブルの方にエネルギーがいってしまうんで危険。

また、モバイルバッテリーの一部製品については、こんなリスクもあるとしている。

関西大学化学生命工学部・石川正司教授:
ちゃんとした製品は、充電が終わると電流を急速に落として止めるという保護回路が入ってます。
最近、一部製品の作り込みが甘いものもあるんじゃないか。

石川教授は、充電したまま外出するなどせず、目の届く範囲での充電を呼びかけている。
(「イット!」9月25日放送より)