金沢大学の青木准教授と進めていきます。先月も線状降水帯が発生し、金沢で記録的な大雨となりました。こうした豪雨は今後、いつ発生してもおかしくない状況ですね。
そうですね。今の気象状況ではこれからも豪雨は繰り返しやってくるでしょう。
そうなると浸水想定区域内の仮設住宅や災害公営住宅は心配ですね。
はい、浸水想定区域内の仮設住宅では、これからも避難情報などに注意する必要があります。本来であれば排水ポンプといったハード的対策だけでなく、防災無線の個別受信機を設置したり、災害が想定されるときの個別の声掛けなど自治体は住民に情報をしっかりと伝えてほしいですし、住民も共有するように心がけてほしいです。
災害公営住宅では工夫がされるようですね。
浸水対応になっていることは一つの安心材料ですが、それでも被災リスクがあることは避けられません。水害時の対応など、住宅ごとに地区防災計画に相当する「水害避難計画」をしっかりと作っておいてほしいです。
豪雨から1年、地震から1年8カ月以上たちますが、まだまだ復旧工事は続いています。
そうですね、地震前に戻るには時間がかかります。地震で山が緩んでいたり崩壊した土砂が谷底に堆積したりしています。山間部では土砂災害のリスクは依然高い状態です。浸水想定区域だけでなく、土砂災害の恐れがある区域の方もしっかりと対策を取っておく必要があります。
最後に、被害を減らすうえで最も大切なこと、日頃から心がけておくことは何でしょうか?
これは被災地だけでなく県内全ての方に共通することですが水害や土砂災害などの気象災害への対策の基本は「日ごろからハザードマップを用いて住んでいる場所の災害想定を確認しておくこと」そして「災害が近づいてきた時に天気予報や自治体からの避難情報をしっかりと確認して早めに避難すること」です。「危険なところに住んでいる」という自覚と「今は危ないタイミングだ」という危機感のスイッチを入れられるように日ごろから災害に関心を持ってもらいたいです。