福岡県北九州市の公園に、7人の弟子を持つ『スーパーおじいちゃん』がいるそうです。

敬老の日の9月15日、現場を取材しました。

15日午前、取材班が向かったのは、北九州市小倉南区の文化記念公園。

ここに、「噂のスーパーおじいちゃん」が出没するといいます。

◆公園によく来る子供たち
「結構年上なのにすごい動きしていて、めちゃびっくりした」

「例えるなら…“大車輪おじいちゃん”」

『大車輪おじいちゃん』

非常に気になるワードですが、一体、何がすごいのかー

本人と連絡が取れ、待ち合わせることにー

するとー

公園にやってきたのは、下田道雄さん、御年74歳。

長年、自動車会社に勤務していたという下田さん。

少し細身で、見た目は普通のおじいちゃんです。

◆記者リポート
「あの、ちょっと、見せていただいても良いですか?」

下田さんが向かった先は…鉄棒。

前回りを連続で回り始める下田さん。

◆記者リポート
「え!すごっ嘘でしょ…」

そう…下田さんは、知る人ぞ知る、「鉄棒のスペシャリスト」なんです!

なんと!体操競技の経験はないという下田さん。

鉄棒に目覚めたのは、会社を定年退職した60歳の時だったといいます。

◆下田道雄さん
「久しぶりに逆上がりとかやってみようと、やったらできなかった。逆上がりはできない、前回りはできない、『うそー』と。せめて頑張って1回まわろうと思って、それからやみつきになって」

下田さんは、現在、この公園で週に2回ほど鉄棒の練習をしていて、この14年間で難易度の高い技を15個もマスター!

近年は、1年間で平均1万5000回ほど、鉄棒で前回りしているといいます。

そして、いまや下田さんを慕う弟子の数は7人。

さらに、逆上がりなどを教えた小中学生は約140人。

15日、下田さんが指導していたのは7番弟子の吉竹さん、53歳です。

◆7番弟子 吉竹浩一さん(53)
「五十肩で筋トレを始めて、意外に筋トレは調子が良くて大会で優勝したり、準優勝したりしていたが、じゃあその筋肉が使えるのかと思うと全然使えなくて、下田先生を(テレビで)お見かけして、ぜひこれは習いにいかないと思って、車で1時間半ほどかけて、この3日間で短期間で教えていただこうと」

吉竹さんは、この3連休でわざわざ市外から下田さんのもとを訪ね、練習に励んでいました。

すると…

さすがは、下田さん。

弟子の横で難しい「蹴上がり」という技を成功!

そのまま、前回り20回転です。

さらに15日は、1年8ヵ月、師弟関係にあるという23歳の6番弟子と合わせ技を披露してくれました。

さらに、下田さんが1年半かけて習得した、中指1本だけでする逆上がりも…

◆下田道雄さん
「やった!指一本できた。やったらね、(気持ちは)中学1~2年生にかえった」

Q.下田さんは人生楽しい?
「楽しい、めちゃくちゃ楽しい。今が1番楽しい」

このように「大車輪おじいちゃん」の異名を持つ下田さんですが、ここまで上達したのはある「秘けつ」がありました。

それが「下田さんオリジナルの鉄棒の本」です。

これは、ブックオフで安く購入した分厚い体操の本から必要なページだけを抜いてひもで結んだもので、これを持って下田さんは公園で練習しているそうなんです。

達成できた技には、丸がついています。

ちなみに、下田さんは24歳の時からアイススケートを続けていて、『「イナバウワー」などの難しい技もできますよ』と話していたそうです。

そして、これからの目標は「バク転、バク宙ができるようになること」とのことです。

テレビ西日本
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