子どもの頃、夏休みの宿題を先延ばしにしていた人は仕事の締め切りに追われやすいーそんな傾向がアンケートで明らかになった。広島の街で聞いた声からも、「ギリギリ癖」は大人になっても根強く残っているようだ。

宿題と締め切りに表れる“共通点”

「会議資料を準備するタイミング」について、218人に行ったアンケート結果がある。

夏休みの宿題と会議資料の関係(ミズカラ調べ 2025年)
夏休みの宿題と会議資料の関係(ミズカラ調べ 2025年)
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調査では、子どもの頃に夏休みの宿題を1週目からコツコツ進めていた人は、大人になっても会議資料を余裕を持って仕上げる傾向が強く、半数以上が「3日以上前に準備する」と回答した。
一方、夏休みの最終週に駆け込みで宿題を終えていた人は、大人になっても23.3%が「会議前ギリギリ」と答えている。「会議の前日」と答えた人と合わせると全体の約55%の人が、大人になっても締め切り間際に仕上げている。

世代を超えて根強いギリギリ派

広島の街にも、夏休み宿題を最後にまとめて片付ける「ギリギリ派」は多い。

50代の女性は「寝ずに宿題をするとか、間に合うようにはやるけどギリギリでしたね。大人になっても性格は変わらない」と語る。

高校2年生は「夏休みが終わる2日前に始めるタイプです。提出期限を過ぎてから出します」と苦笑い。社会人になったらどうするのか尋ねると「直す予定です。ちょっとずつ早めにやるようにしようかな」と答えるも不安そう。

一方で、60代の男性は「子どもの頃は遊びが忙しくて後回しだったが、大人になってからは早めに片付けるようになった。早くやった方が楽ですからね」と話し、年齢とともに克服できる例も見られた。

「遊び優先」が仕事の力に?

また、宿題より“好奇心”を優先させることが社会に出てから役に立つという50代の男性も。

「夏休みに入った瞬間から全力で遊んで、夏休み後半で集中して。親に『先にやればいいのに』と言われながら宿題をやった記憶があります。でも、遊びながら自由研究のネタを無意識にためていたような気がします。その好奇心が今の仕事でもうまくつながっているかもしれないですね」

20代の男性は「夏休みの宿題はやっていなかった」とギリギリどころか完全放棄タイプ。それでも「社会人になったら直る気がする」と話す。社会人は締め切りを過ぎると怒られるが学生は怒られないというのが理由。実際、仕事の提出期限は守るようになったとか。ただ、今でも締め切りに追われていて「じゃあ、直ってないのか」と笑う。

時間配分「改善できた人」はわずか

では、子どもの頃からの「ギリギリ癖」は克服できるのか。

時間配分を「改善できた」と答えたのはわずか2割(ミズカラ調べ 2025年)
時間配分を「改善できた」と答えたのはわずか2割(ミズカラ調べ 2025年)

「時間配分の改善」についての調査で、回答した500人のうち「成功した」と答えたのは21.2%にとどまった。一方で「何度か試したができなかった」が24.6%、「一度試したができなかった」が11.2%で、合わせて35%以上が挫折を経験している。さらに「試みたことはない」と答えた人も43%に上り、多くが改善に踏み出せていない実態が浮かび上がった。

筆者も耳が痛い。夏休みの宿題は最初に一気にやってしまうか、まったく手をつけないかの両極端だった。大人になってからも時間配分が苦手で、直前になって慌てることが多い。それどころか「自分の性に合っている」とギリギリ癖を肯定してしまうことさえある。

締め切り間際の焦りを「自分らしさ」と受け止めるか、改善の余地と考えるか。子どもの夏休みの宿題は、大人になってからの働き方を映す鏡なのかもしれない。

(テレビ新広島)

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