実りの秋を迎え、新潟県産コシヒカリの収穫が進んでいます。全国に向けた出荷も始まる中、気になる品質、そして価格の見通しについて取材しました。

■魚沼産コシヒカリ “一等米比率”は回復の見込み

9月12日朝、小千谷市にある倉庫に運び込まれたのはブランド米『魚沼産コシヒカリ』です。

JA魚沼では、今年とれた魚沼産コシヒカリの品質検査が8日から始まっています。

【JA魚沼経営管理委員会 久賀満 会長】
「現在出荷されているものを見ると、非常に整粒状態、コメの状態は良い」

12日は約30tが検査され、検査員が袋から無作為に抜き取った玄米について粒の色や形・水分量を目視や機械を使い確認しました。

10日時点のJA魚沼の魚沼産コシヒカリの一等米比率は73.5%と平年を下回っていますが、関係者は心配されていた暑さや水不足に対しては生産者が水や肥料の管理を徹底したとして、今後、検査量が増えれば一等米比率は回復するとみています。

【JA魚沼経営管理委員会 久賀満 会長】
「甘みも違うし、歯ごたえも食感も違う。今年も皆さんにおいしいお米を提供できると思っている」

■全国への出荷開始!価格高騰によるコメ離れ懸念も“味”に自信

同じころ、長岡市ではJAによる県産コシヒカリの県外向けの初出荷式が行われました。

関東へ向かうトラックに積まれたのはJAえちご中越管内でとれたコシヒカリ合わせて12t。

県外向けの初回の出荷量は去年の231tと比べて減少していますが、これは雨の影響で稲刈りが遅れているためで、今後、収穫が進むにつれて出荷量も増えていくといいます。

こうした中、気になるのが価格の動向です。

【JAえちご中越経営管理委員会 吉田文彦 会長】
「常識的な手数料とか精米(にかかるお金)とかであれば、4000円前後で出すことは可能。ただ、ほかのコメとの位置関係というか、置き所からいけばもっと上がってくるような状況になると思う」

JA全農県本部が示した今年の仮渡し金は一等米の一般コシヒカリ60kgあたりで去年の約1.7倍となる3万円に。

生産コストが増加する中、農業経営の継続につながることが期待される一方で、価格高騰による消費者のコメ離れへの懸念の声も聞かれますが…

【JAえちご中越経営管理委員会 吉田文彦 会長】
「消費者の目線で見れば、価格に応えている味かどうか、品質かどうかというのは関心が高いと思う。受け入れていただける味に仕上がっていると思う」

関係者はその味に自信を持っているようです。

【齋藤正昂アナウンサー】
「コメ一粒一粒が粒立っていますし、なにより口に入れた瞬間に新米独特の豊かな香りが口に広がってきています。新潟の秋が来たなというのを感じます」

JAえちご中越のコシヒカリは11日時点での一等米比率が91%となっています。

【JAえちご中越経営管理委員会 吉田文彦 会長】
「まじめにコメを作って成果が出たということで、新米をぜひ全国の皆さんに食べて味わってもらいたい」

12日朝に出発した新米コシヒカリは精米や袋詰めの作業を経て、来週末ごろに県外での販売が始まる予定です。

NST新潟総合テレビ
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