当時を思い出すのが辛い方も多いと思うが、記憶は、未来を守る力に変えなくてはならない。震災を機に福島の舵取り、そして子どもたちへの教育も大きく変わった。
「地震です、地震です」震災から14年半となった9月11日、福島県相馬市のみなと保育園では、地震と津波を想定した避難訓練が行われた。
この保育園では月に2回の避難訓練を行っているが、震災当時は津波が僅か10メートルほどの所まで迫っていたという。みなと保育園の主任保育士・齋藤真紀子さんは「海からまあ50mぐらいしかないので、この園舎の屋根が平屋根になっておりますので、そこに大体100名で避難したところに大きな津波が園庭まで迫り来たということですね」と当時を振り返る。
保育園で震災の犠牲者は出なかったが、いま、園には0歳から6歳まで140人もの子どもたちが通っている。大きな災害が発生した時に速やかに行動できるかが、命を守るカギとなる。園児は「なんか崩れてきたら自分の体を守りながら」「ダンゴムシのポーズして頭を守るの」と話す。
2025年8月1日時点での福島県の人口は172万人あまり。このうち約17万8千人、1割以上が「14歳以下」の「震災を経験していない世代」だ。教訓の継承が大きな課題となっている。
みなと保育園の齋藤さんは「いつ大きな災害が起こるか分かりませんので、震災を知らない子どもたちにも、それを後世に伝えていって自分の命は自分で守る、1人でも多くの命を守るということを心がけていきたいと思います」と話した。
子どもたち:「津波の時は高いところへ避難します!」