JR北海道は9月10日、列車の異常を後続などに知らせる「防護無線機」約60台が、5年間、無免許で列車に搭載されていたと発表しました。
「防護無線機」とは、運転士が列車の異常を検知した際に、スイッチを押すと、無線信号を発信し、半径1キロートル以内のほかの列車に緊急停止を促す装置で、列車同士の衝突など事故の連鎖を防ぐための”命綱”ともいえるシステムです。
JR北海道によりますと、無線機の情報を一元管理する「無線局管理システム」を2026年度から運用するにあたり、担当の社員が無線機台帳を確認していたところ、防護無線機61台に総務大臣からの免許状が交付されていないことが2日、判明しました。
61台のうち58台は2020年、2台は2021年に列車に搭載されていました。残る1台は2011年に免許が失効し、2012年に列車から外しましたが、2023年に再び列車に搭載されていたということです。
JR北海道は2日に総務省北海道総合通信局と国交省北海道運輸局に状況を報告し、免許申請の手続きを進めるとともに、6日までに無免許の防護無線機を列車から取り外し、免許状交付済みの無線機に交換しました。
無免許の原因についてJR北海道は「免許の申請を失念したため」と説明していて、現在、失念した経緯を調べています。