8月の記録的大雨から1カ月。大雨の要因ともなった『線状降水帯』がまた県内に発生しました。道路の冠水や土砂崩れなど場所によっては8月と同じような被害に見舞われましたが、人のけがや命に関わる被害はありませんでした。

これは10日未明から朝にかけての雨雲レーダー。活発な雨雲が長崎県から熊本県にかかり、気象台は午前5時57分、天草・芦北地方に線状降水帯が発生したと発表しました。

午前5時半までの1時間に苓北町付近で約110ミリの猛烈な雨が降ったとして
気象台は『記録的短時間大雨情報』を発表。

上天草市松島で1時間に77.5ミリの9月の観測史上1位となる雨を観測したほか、天草市本渡や宇城市三角、人吉市でそれぞれ非常に激しい雨が降りました。


【原田光應カメラマン】
「山から流れ出た水が歩道を川のように流れ、土砂も堆積している」

苓北町坂瀬川地区の国道324号線では土砂災害が発生し、一時、全面通行止めに。

8月の記録的大雨から1カ月。甚大な被害が出た上天草市を再び大雨が襲います。

【西村勇気アナウンサー】
「ガソリンスタンドに水の流れがあるのが分かる。ガソリンの給油口のすぐ下、
人間のヘソくらいまで水が来ている」

大矢野町を走る国道266号線の一部が冠水

【8月の大雨で自宅が床上浸水の被害にあった住民】
「まだ襖を替えたくらいで、あとは床や畳はまだ」
(また線状降水帯が発生したが?)「二の舞いかなと思い、すごく怖かった」


大雨は通勤通学の時間帯の人の流れにも影響を及ぼしました。
【熊本駅の利用客】
「朝、ひどかった。大丈夫だろうを思って来たら…」

JRは鹿児島本線、豊肥線、三角線で一時、運転を見合わせました。

一方、こちらは熊本市の情報カメラ。
雷が熊本城の背後にある山に落ち、あたりが一瞬明るくなります。

10日朝は県内各地で落雷が相次ぎ、九州電力送配電によりますと、最大で約2530戸が停電しました。(現在は復旧済み)

記録的大雨から1カ月を迎え、県内を再び襲った線状降水帯。しかし、これまでのところ、今回の大雨でのけがや命に関わる被害は入っていません。


この大雨の影響で、上天草市大矢野町では、床上浸水が1軒確認されています。

またJR熊本駅在来線のコンコースでは、縦60センチ、横30センチ、重さ約2.2キロの天井材が落下。

けが人はいないということです。

JR九州によりますと、高架から雨水が侵入し、水を吸った天井材がその重みで落下したとみられるということです。

県教育委員会などによりますと、県内にある小・中学校や高校など29校が休校になったほか、多くの学校が授業の開始を遅らせたということです。

九州自動車道では、松橋インターチェンジと八代インターチェンジの間の上下線が
一時通行止めになるなど、交通機関にも影響が出ました。


県内に出されていた警報や土砂災害警戒情報はすべて解除され現在、大雨や雷など
ご覧の注意報が出されています。

県内は10日、11日と多い所では激しい雨が降ると予想され、雨の降り方によっては再び大雨警報が発表される可能性があります。

雨の降り方には引き続き十分注意してください。

テレビ熊本
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