自民党派閥の政治資金パーティーでの不記載をめぐる、いわゆる“裏金事件”で在宅起訴された大野泰正元参議院議員の初公判が9月10日に開かれました。「犯罪を犯したことはありません」と無罪を主張しました。

(リポート)
「開廷1時間半前ですが、東京地裁にはすでに多くの報道陣が詰め寄せています」

 午後1時前に東京地裁に姿を現した元参議院議員の大野泰正被告(66)。報道陣の問いかけに一言答えるのみで裁判所へ向かいました。

Q.無罪を主張されるんでしょうか
大野泰正被告:「…」

Q.今の自民党に対して何か言うことはありますか
大野泰正被告:「…」

Q.裏金はありましたか
大野泰正被告:「何もないですよ」

Q.大野さん、一言お願いします
大野泰正被告:「…」

 紺色のスーツ姿で法廷に立った大野被告。罪状認否で語ったのは…。

<大野泰正被告>
「申し訳なく、深くお詫びさせていただく。私は1カ月半に及んだ任意の聴取に誠実に対応したが、裁判を通じて政治不信の払拭は難しいことは危惧している。記載しているのか、記載していないのかさえ知らなかった。犯罪を犯したことはありません。私は無罪を主張させていただきます」

 と、無罪を主張しました。

 自民党現職の参議院議員だった大野被告は、旧安倍派のパーティー券の売り上げから5年間でおよそ5100万円のキックバックを受け取りながら、収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反の罪で、2024年1月、秘書とともに在宅起訴されました。

 3代にわたる政治家一家「大野家」。祖父は新幹線の岐阜羽島駅開設に尽力し、自民党の副総裁も務めた大野伴睦氏。そして、父・明氏、母・つや子氏も国会議員を務めました。

 大野被告は自民党を離党して無所属となった後も、地元の行事に参加しましたが、先の参議院選挙には立候補しませんでした。在宅起訴からおよそ1年半、地元の岐阜県連の幹部は…。

<自民党岐阜県連幹部>
「本人からの具体的な説明は、まだない」

 初公判で弁護側は、「派閥から受けた金は『預かり金』という認識だった。大野被告は裏金事件に巻き込まれた被害者といえる。ノルマを超えた額が多いという形式的な理由で起訴された不合理な起訴です」と述べました。

 地元の羽島市民からは…。

羽島市民ら:
「全部明確にしていただきたい」
「しっかり善悪をつけてもらって、改善してほしいなと思います」
「ちゃんと公平な裁判をしてくれればいいかなと」

 司法の場で究明される裏金事件の真相は…。次回の公判は9月25日、東京地裁で開かれる予定です。

東海テレビ
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