新潟県が発表した新年度予算案で、陣痛の始まった妊婦を産院に送り届けるタクシーの普及事業に予算が計上された。確かなニーズがあると同時に課題もあるようだ。現場を取材した。
新潟県の新年度予算案 『出産応援タクシー』普及に約600万円計上
「残念ながら分娩施設を集約化していかざるを得ない状況がある中で、住んでいるところから離れたところで出産が必要になるというケースが出てくる」
新年度予算案の発表でこう話した花角知事。
自宅と産院が離れている妊婦の支援、また、子育てに優しい新潟の実現を目指し、妊婦を産院に送り届ける『出産応援タクシー』普及促進事業として600万円あまりが計上された。
事前登録は毎月50件!タクシー会社が取り組む『陣痛タクシー』とは?
新潟市東区にあるタクシー会社では、すでに10年ほど前から『陣痛タクシー』として取り組んでいる。
実際の稼働は2025年1年間で8件だったが、事前の登録は毎月50件ほどにのぼるという。
富士タクシーの山崎雅市業務部長は「万が一のためのお守りがあるということで登録いただいているのではないか」と話す。
ドライバーは講習を受講し、妊婦への対応などを学んでいるほか、車内で破水したときに備え、すべての車両に防水シートが準備されている。
また、緊急時は料金の後払いも可能だ。
ドライバーの谷津田徹也さんは、これまでに10回ほど、陣痛を迎えた妊婦を産院に送った。
「『大丈夫ですか?』とか『何分くらいかかるが、大丈夫ですか?』という声かけをしている」
陣痛タクシー 夜間・早朝の利用多く課題も「稼働台数に限りが…」
県によると、こうしたサービスは県内の19のタクシー会社が実施。県は3年後に80社ほどに広げる目標だが、課題もある。

山崎業務部長は「陣痛タクシーの利用は、やはり夜間や早朝が多い。その時間帯、私どもの稼働台数も限りがあるので、複数の会社にご登録いただいて、もし私どもでダメであれば、また別の会社にという形でご利用いただければと思っている」と話す。
県の普及促進事業がドライバー不足を補い、安心して子どもを産める環境づくりの一助となることが期待される。
