石破首相が急転直下の退陣表明。東海地方の与野党の議員からは「遅すぎる」という声も上がりました。石破首相を長く取材するジャーナリスト・鈴木哲夫さんに、その“ウラ側” を聞きました。

■辞任表明に街からは様々な声が
9月7日夕方、緊急の会見を開いて辞任の意向を表明した石破茂首相。名古屋でも…。

街の人ら:
「びっくりやね。きのう菅さんと話をされたんでしょ。国民の民意である、自然の流れかなと思います」
「誰がやっても別にいい、という感じで見ていました。時間とお金の無駄だから、そのままでよかったんじゃないかと思います」
「そんなんやったら衆議院を解散してほしかった。とことん石破さんでやってほしかった。辞めてほしくなかったですけどね」
世論調査では「石破辞めるな」の声も少なくない中、自民党内では「石破おろし」が加速。愛知県連も7日、総裁選前倒しを求める方針を決めたところでした。
首相の会見の直後、取材に応じた鈴木英敬衆院議員は…。

鈴木英敬衆院議員:
「党内の分断が決定的になる可能性があったなかで、それを回避するためのご決断をいただいたことはよかったと思っています」
石破首相:
「私としては、まだやり遂げなければならないことがあるという思いもあるなか、身を引くという苦渋の決断をいたしました」
■退陣決断の“ウラ側” 石破首相の胸の内は…
石破首相を長く取材するジャーナリスト・鈴木哲夫さんは、5日・金曜日にやりとりをした時点では、続投の意思が強いと感じていたといいます。

鈴木哲夫さん:
「私には(7日の)午前中にメールが来ました。『きょう会見します』と一言メールが来ましたから、これは決めたんだなと思いましたけどね。正直にびっくりしました。前々日金曜日まで、これまで通り続投の意思は非常に強かったし。土曜日に色んな判断なり、心の問題があったのかなと思います」
6日には、菅元首相と小泉農水相が首相公邸を訪問。

鈴木哲夫さん:
「菅さんは『党が割れないように、その前にあなたが退陣しろ』というニュアンスですよね。うなづいて聞いていた時間が長かったと、僕は聞いています」
次の注目は自民党総裁選。一番乗りで立候補の意向を表明した茂木前幹事長のほか、小泉農水大臣や高市前経済安全保障大臣らも「ポスト石破」候補に挙げられますが、衆・参で少数与党の状況は変わらず。

総理指名や政策の実現には野党との連携が欠かせません。
■野党議員は…
立憲・重徳和彦政調会長:
「辞意を表明された総理に若干敬意を表すれば、少数与党の状況で、答弁は若干“石破流”の答弁ではありましたけれども、真摯に野党の声を聞いて丁寧に答えるという個人的な努力はされていた」

立憲民主党の重徳和彦政調会長は一定の評価をしつつ、与野党で合意していたガソリン暫定税率廃止の早期実現をとクギを刺します。
立憲・重徳和彦政調会長:
「国民生活に対して政治不在、政治空白の状況をつくっているわけですから、自民党の責任は本当に重たい」
国民民主党の古川元久代表代行は、今後の連立政権入りについては否定的な考えを示しました。

国民・古川元久代表代行:
「表紙を変えただけでは、自民党に対する信頼が戻ることはないと思います。連立云々じゃなくて、政策実現のためにどうしていくかというスタンスは、これからも変わらない」
さらにこの人も…。
保守・河村たかし共同代表:
「(石破総理は自分に)『総理に一番近い男だ』って、ギャグを言ったこともあった。実はそういうとこあるんだわ、あの人は。もっと朗らかにやりゃええんだけど、周りにずらっとお偉いさまがおるでしょ。ということと、財政の考えが間違っとるでいかんね、経済を」

減税には否定的だった石破首相との意外なエピソードを披露した上で、新総裁を大胆予想。
保守・河村たかし共同代表:
「そりゃ小泉さんでしょ。みんなそれがええって世論調査でも出とるがね。それをひっくり返そうというのが、総理を狙う男76歳アゲインだけどよ」