大阪・関西万博で展示されたスポーツの先端技術の数々。
ICT(情報通信技術)でスポーツの新たな価値が見えてきました。

閉幕まで1カ月あまり…。
多くの来場客でにぎわう、大阪・関西万博。

“未来社会の実験場”がコンセプトの万博で、ICTを活用したスポーツの新たな価値や可能性を発見する試みが行われていました。

8日まで行われていたスポーツ庁が主催する「Sports Future Lab~スポーツがつくる未来~」では、出展した22の企業や団体がスポーツにおける先端技術や、共生社会の実現に向けた取り組みを体験型コンテンツとして発信しました。

取材したこの日に行列ができていたのは、ソフトバンクが提供する「AIスマートコーチ」ブースです。

バスケ日本代表の河村勇輝選手(24)らプロ選手のシュートフォームをお手本に、参加者もシュートをすると、AIによる骨格解析で映像だけでは分かりにくい骨格の動きを確認。

さらに、理想のフォームとの差をマッチ度で判定します。

参加者は「どれぐらい似てるか似てないか参考にもしやすい。まねもしやすくて僕の(学生)時もこういうのがあったらもっとうまくなれたのかな」「(マッチ度が)80%ぐらいいくと思ったけど、いかなかったから悔しいです」などと話しました。

「Live News α」が取材中に室伏広治スポーツ庁長官がサプライズ視察する場面も。

ソフトバンク サービス企画本部・星川智哉部長:
子供たちにAIが教えすぎるのではなく、自分で見て何かに気づくことを否定しない。自由にやっていただく。

室伏広治スポーツ庁長官:
簡易的にできるのはいいですね。

星川さんは「地方だろうがどこだろうが制約なくスポーツが楽しめる。そういうところでテクノロジーを使っていただきたい」と話しました。

自分の動きを客観的に見て、課題を発見し自ら改善していく、そんな“主体的・共同的な学び”をサポートするAIスマートコーチ。

特に離島や地方で顕著な指導者不足や地域格差といった社会課題を解決し、誰もがどこでも質の高いスポーツ教育を受けられるツールとして期待されています。

一方、星川さんは「実際になかなかAIというものがなじみのないものでも、少しこれに触れることによって“スポーツはこんな楽しみがあるんだ”“こんな成長ができるんだ”とすごく感じていただきたい」と今回の万博出展の背景について語りました。

ICTを活用することで“見て楽しむ”スポーツの価値だけでなく、“誰もが参加し成長できる”というスポーツの持つ本質的な力に注目した取り組み。

ソフトバンク サービス企画本部・星川智哉部長:
今後は子供だけではなく、大人、シニア、生涯にわたりスポーツを楽しく続けられる。(スポーツを通じ)自分で気づいて、学び合える、学び続けられる、そんな世界を実現させていきたい。