9月6日から新潟で全国的な防災イベント『ぼうさいこくたい』が開催される。今回は複数の高校が協力して防災の普及啓発に取り組む“県生徒会連盟”の活動を取材した。
防災に取り組む“県生徒会連盟”
新潟市江南区にある新潟明訓高校。
生徒会メンバーはこの日、県内の他の高校の生徒会が集まる県生徒会連盟のオンラインミーティングに臨んでいた。

県生徒会連盟は2023年3月に4校で発足し、現在は、敬和学園・新潟県央工業・新発田中央・東京学館新潟・新潟青陵・新潟明訓・日本文理・北越の8校が加盟していて、学校行事や防災啓発活動についての意見交換や共同活動を行っている。
加盟校の生徒からは「各校の観点というか、色々な人の意見を聞けて、新たな発見がありすごく良い」「自分の高校では行っていないことを学びあったり、共有し合ったりすることで、さらに互いの学校をよくしていくことができるので、とても良い団体」といった声が聞かれる。
県生徒会連盟のこうした活動は全国的にも評価され、2025年6月には『日本生徒会大賞』の決選大会で大賞を受賞した。
“防災部通信”で学びを広げる
そんな県生徒会連盟が防災啓発活動の一環として定期的に制作しているのが、災害への意識啓発と防災情報を盛り込んだ“防災部通信”だ。

最新号のテーマは『7・13水害』。写真や数字データを使って当時の被害状況を分かりやすくまとめている。
内容は新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授がチェックし、各校の教室などに掲示されるほか、県防災局の公式X(旧Twitter)で配信されている。
制作に携わる生徒は「防災って大事なんだなと。どんな人が見ても入っていく、そういうことを防災の活動をしていく中で大事にしている」
「新潟明訓高校では、3月に被災地巡検を行って、色んなお話を遺族の方から聞いたり、色んな震災遺構を訪れたりする中ですごく衝撃や刺激を受けて、私たちも教えてもらったことを誰かに伝えなければと感じている」などと話す。
教わってきた災害の教訓を伝えるべく、生徒の一人ひとりが行動に移している。
気軽に防災を学ぶ“防災ゲーム”
生徒会連盟では“防災ゲーム”も制作。避難時に気をつけるべき行動を複数のステージで体験できる内容だ。

例えば、「靴を履かずに避難すると、ガラス片で足をけがする」などのリスクをゲームで再現。靴をゲットしないと先のステージに進むことができない。
靴を履くことで、安全に避難が可能であることを示している。
ゲームを制作した生徒は「この防災ゲームを通して防災を自分事として考えてもらいたい」と話す。
全国的防災イベント『ぼうさいこくたい』でも発信
『ぼうさいこくたい』は内閣府などが主催する日本最大級の防災イベントで、産学官民が日頃の活動を発表・交流する場だ。

県生徒会連盟は、ぼうさいこくたいでもパネル展示を行うほか、他団体出展への協力などを予定している。
生徒たちは「全国から防災に詳しい方々が多く来るので、そういう方々から防災を学んでいきたい」「こくたいでも全力で頑張りたい」「私たち高校生が若者に伝えることで、防災を自分事として考えてくれる人がもっと増えればうれしい」などと、一大イベントを前にさらなる意欲を示す。
若い力が広げる防災の輪。県生徒会連盟の今後のさらなる活動展開が期待される。