9月1日、伊東市議会百条委員会は、学歴詐称問題において田久保眞紀市長(55)が、「正当な理由なく出頭を拒否し記録の提出を拒否し証言を拒否し、虚偽の陳述をした」として、刑事告発することを決定。さらに、不信任決議案も全会一致で可決しました。

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学歴詐称問題が明らかになってから約2カ月、辞職・失職か、それとも議会の解散か。混乱を極める伊東市を取材しました。

「職員の負担を増やさないで…」市のイメージダウンにも

議会終了後、マスコミの取材を受けた田久保市長は、百条委員会での決定について以下のように述べました。

伊東市 田久保市長:
気持ちとしては重く受けとめております。ただ、自分が逮捕されたくないからとか、そういったことではございません。もう一度、不信任決議の中身も見させていただいて、考えたうえで決めたい。そのように考えています。

自身の今後について、明確な言葉では語らなかった田久保市長。
揺れる市政の中で、伊東市の職員からは、業務への影響を不安視する声も挙がっています。

伊東市役所職員:
(市民から)「職員がちゃんとしないからだ」など、自分たちではどうすることもできないので嫌になる。また職員の負担が増えるなと…。これ以上、職員の負担を増やさないでほしいです。

さらに、7月27日に、田久保市長の辞任を求める1万158人分の署名を届けた元市議の濱田修一郎氏も、市全体へのイメージダウンは避けられないといいます。

元伊東市市議  濱田修一郎氏:
市のトップが自らイメージダウンにつながるようなこと、こんなわけのわからないことをするなんて、本当に恥ずかしい。逆にいうと、話題になることすら嫌だねっていうような感じですよね。結構多くの方々が、裏切られたというか、悔しいとか、そういうことで、私の方に電話してきた方も、数十…ではない数字ですよね。
(辞任を求める署名は)あっという間に、集まったようなイメージが非常に強い。そのぐらい市民の皆さん1人1人怒っているんですよ。

その影響は観光業にも…。

伊東観光協会 稲葉明久会長:
こういうことをしている伊東には行きたくないというお客さまもいらっしゃるし、当然、宿泊する際には入湯税ですとか、税金がかかります。「自分たちが、宿泊に伴って払ったその税金で、市長の給料を払いたくない」とかって、そういう方もいらっしゃるし。
影響というのは、これはもうマイナスのイメージしかありません。このままで行くと、いろいろと悪影響しかありません。そこはきちっとしていただきたい。

田久保市長は、9月2日予定されている、県市長会の定例会議も欠席するということです。

問われる4つの事案

今回、百条委員会が地方自治体法違反の疑いで刑事告発した内容として、以下の4つの事案があります。

・出頭拒否…百条委員会側からの出頭請求を拒んだ
・記録の提出拒否…“卒業証書”について2度提出を拒絶
・証言拒否…証人尋問で証言を一部拒否
・虚偽の証言…「6月28日に初めて除籍という事実を知った」等の発言

――この中でもっとも罪が重いのは?
若狭勝弁護士:

虚偽の証言・陳述となります。他3つは、自分が刑事責任を問われる可能性がある場合は、出頭拒否することを正当な理由があるということで認められる余地があるのですが、虚偽の証言・陳述は、どのような状況であれ虚偽のことを言うのは情状的には最悪だということで、一番重い。

――偽証に関わる、有印私文書偽造について、田久保市長が全く知らなかった、自覚がなかった場合は、罪に問われにくくなる?
若狭勝弁護士:

そうですね、偽造された私文書だという認識がなければ、偽造私文書行使罪という罪には問われないですけども、でも自分のことですからね、卒業しているかどうかというのは。
要するに政治家の資質としてそんなことも分からないとなると話にならないので、常識的に考えると、卒業していないということは認識していただろうという推測は働きますよね。
(「サン!シャイン」2025年9月2日放送)