8月30日(土)、31日(日)、長野県内の山岳で遭難が相次ぎ、転倒により3人が重傷、1人が軽傷で救助されました。また、体調不良、道迷い、ロッククライミング中の遭難も発生しました。長野県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」など注意を呼びかけています。

■北アルプス燕岳 転倒して重傷

30日、北アルプス燕岳で京都市の会社員の43歳女性が下山中に転倒し、大けがをして、ヘリコプターで救助されました。

30日午前8時半前、本人から「下山中に転倒して足をけがして、歩行できない。骨折しているかもしれない」と110番に救助要請がありました。

警察によりますと、女性は30日、中房登山口に下山中、北アルプス燕岳の富士見ベンチ付近(標高約2200メートル)で転倒してけがをしました。

長野県警ヘリと北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動し、午前10時半過ぎ、女性をヘリで救助し、松本市内の病院に搬送しました。右足腓骨骨折などで重傷の模様です。

女性は29日、一泊二日の予定で、単独で中房登山口から燕岳に入山していました。


■八ヶ岳連峰の蓼科山 転倒して骨折

八ヶ岳連峰の蓼科山では30日正午前、東京都稲城市の62歳の男性会社員が標高2500メートル付近で転倒し、行動できなくなり、ヘリコプターで救助されました。

警察によりますと、正午ごろ、本人から「山頂から下山中に転倒して、身動きがとれない」と110番に救助要請がありました。

諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動し、午後1時半ごろ、長野県警のヘリが男性を救助して松本市内の病院に搬送しました。警察によりますと、右足を骨折していたということです。

男性は30日朝に蓼科山に入山し、山頂から下山途中でした。

■南アルプス仙丈ヶ岳 転倒して重傷

南アルプスの仙丈ヶ岳の山頂付近(標高約2900メートル)では30日午前、3人パーティーで登山中だった兵庫県神戸市の81歳の女性が転倒し、けがをして、ヘリコプターで救助されました。

消防によりますと、午後9時過ぎ、同行者から「女性が転倒して、頭と手首をけがしている」と119番に救助要請がありました。

長野県の消防防災ヘリが出動し、午前9時40分ごろ、女性を救助して、伊那市内の病院に搬送しました。左手首を骨折する重傷の模様です。

女性は30日、3人パーティで北沢峠から入山し、仙丈ヶ岳に向け登山中でした。

■霧ヶ峰の蝶々深山 体調不良

長野県諏訪市の霧ヶ峰の蝶々深山の山頂付近(標高約1836メートル)では30日午後、栃木県下都賀郡の81歳女性が体調不良により行動不能となり、救助されました。

消防によりますと、30日午後0時半ごろ、同行者から「女性が登山中に具合が悪くなり、動けない」と119番通報がありました。

警察によりますと、女性は30日、登山クラブのメンバー31人で蝶々深山に入山し、山頂付近で体調不良により行動不能となりました。

消防が出動して、午後3時前、女性を救助して、諏訪市内の病院に搬送しました。

警察によりますと、女性は熱中症とみられる症状だったということです。

■中央アルプス 登山中に転倒

中央アルプスの千畳敷では31日、大阪府の58歳の女性が登山中に転倒し、ヘリで救助されました。

遭難したのは大阪府高槻市の58歳の女性です。

警察によりますと、女性は31日に3人パーティーで入山し、日帰りで宝剣岳を目指していましたが、午前10時前に千畳敷上部の八丁坂の標高2700メートル付近で転倒し負傷しました。

女性は自ら消防に救助を要請し、午後1時半に長野県の消防防災ヘリが救助して伊那市内の病院に搬送しました。 右足と顔にけがをしているということです。


■ロッククライミング けがで救助

長野県川上村の川端下の岩場・通称「八幡岩」付近では31日、東京都世田谷区の介護士の47歳女性がロッククライミング中にけがをして、救助されました。

警察によりますと、女性は31日午前11時30分ごろ、川上村川端下の岩場で仲間5人とロッククライミング中に左肩をけがをしました。

午後0時半ごろ、同行者から「40代の女性が岩でクライミング中に1メートルほど落下して、左肩に痛みを訴えている」と佐久広域消防本部に通報がありました。

同消防署員が出動し、女性と同行下山して、午後4時ごろ、救助しました。

女性は左肩脱臼で軽傷の模様です。


■道に迷い、行動不能に 天狗山付近 

長野県川上村の天狗山付近(標高約1685メートル)では31日、長野県佐久市のアルバイトの61歳男性が道に迷い、行動不能となり、1日早朝から捜索する予定です。

31日午後5時半ごろ、本人から「道に迷って、下山できない」と警察に救助要請がありました。

男性は31日、日帰りの予定で単独で川上村大深山の天狗山に入山しましたが、ルートを誤って道に迷い、行動不能となりました。男性にけがはないということです。

警察は男性に一晩ビバークを指示して、1日早朝から3人態勢で捜索する予定です。

■県警が注意呼びかけ

長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「夏でも雨や強い風にあたると低体温症になる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。

長野放送
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