日本生まれの画材「クレパス」の誕生100周年を記念した絵画展が、製造メーカーの創業者・佐武林蔵のふるさと、鳥取県日南町で開かれています。

クレパスで描いたとは思えないタッチの牡丹の花色鮮やかな赤い色が印象的です。
日本生まれの画材「クレパス」が誕生して、2025年で100年になるのを記念して、日南町美術館で開かれている展覧会。
日南町美術館と大阪市の「さくらクレパス」のミュージアムが所有する近代から現代までの作家がクレパス画が紹介されています。

初日の8月1日に行われたオープニングセレモニーには、鳥取市出身の画家・有田巧さんが出席しました。

画家 有田巧さん:
削って下の絵具を出したり、すごく表現が豊かな画材だと、久しぶりに気が付いて、今の若い人はクレパスを使用する展覧会が多くなった。

サクラアートミュージアム「クレパス誕生100周年近代巨匠から現代作家までのクレパス画展」

こちらは1970年の大阪万博のシンボル「太陽の塔」の作者として知られる芸術家・岡本太郎の作品、「鳥と太陽」。原色を多く使い、爆発的なエネルギーを感じさせます。

また、こちらは全国各地を放浪し、「裸の大将」と呼ばれ親しまれた画家・山下清の作品、「花」です。

サクラアートミュージアム 清水靖子主任学芸員:
描画材としては100年の歴史は、それほど長くはないです。油絵だったら600年も続いていますから、まだ100年かなと思うけど、これから200年、300年クレパスが皆さんに広まっていけばいいと思います。

幼い頃、誰もが手にしたことがある「クレパス」は日本生まれの画材。
日南町出身の佐武林蔵が興した現在の「サクラクレパス」が1925年に商品化し、今年、誕生100周年を迎えました。

その開発のきっかけにもなったのが、明治から昭和にかけて活躍した洋画家、版画家・山本鼎の作品、「江の浦風景」。
模写が主流だった時代に、子どもたちが自由に描く技術を学ぶ図画教育が重要だとして「自由画運動」を提唱しました。91年前、1934年に描かれた作品は今も色あせていません。

一方で、クレパスに新たな可能性を見出す作家も。
版画家・入江明日香さんが、2015年に発表した「春を創る人」。
版画をベースにクレパスで色付け。様々な色を混ぜ合わせて凹凸を作り、立体的に表現しています。

サクラアートミュージアム 清水靖子主任学芸員:
若い作家さんが積極的に使っていただいて、クレパスで個展をされている。今後、新しい描画材料として注目されていくのではないかと思います。
一度手にしたことがあるクレパスを油絵のように盛り上げたり厚塗りしたり、色の深みが出たり、スクラッチ=ひっかく技法など表現が多様にできることに驚かれると思います。

この展覧会は途中、作品を入れ替えて、10月19日まで開かれます。

TSKさんいん中央テレビ
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