“足”で踏んで飲み物を購入
新型コロナウイルスの影響により、不特定多数が触るものにはなるべく触れたくないと思う人が増えたのではないだろうか。
実際、非接触のための商品が多く登場し、編集部でも手をかざすだけでいいエレベーターの“非接触ボタン”や、つり革などに触るのを防ぐ“アシストフック”などを紹介してきた。
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つり革に触りたくない…新型コロナ対策で続々誕生する“非接触グッズ”に予想以上の反響)
そして今回、手で触らずに操作できる自動販売機が登場し、実証実験が開始された。それがこちらの、ダイドードリンコ株式会社が開発した「足操作自動販売機」だ。

普段目にする自動販売機と違う点は、“足”を使って操作する点。たしかに、通常であれば商品サンプルの真下にあるボタンがなく、取り出し口の下に足操作用のボタンが設置されている。
購入方法としては、商品サンプル下に表示されている商品番号に合わせて、商品選択ボタンを“足”で押す。商品を取り出す際にも、ボタンの右隣に設置されているペダルを踏むことで、取り出し口のフタが開く仕組みとなっている。
さらに、支払いは電子マネーに対応しているため、不特定多数が触れる部分に触ることなく、商品を手にすることができるというわけだ。

これまでダイドードリンコでは、商品を選ぶボタンやコイン・返却レバーへの“抗ウイルス対応”に加え、マスクや除菌ウェットティッシュなどを自動販売機で購入できるようにし、さまざまな公衆衛生対応を行ってきた。
そして今回、“足”で操作する自動販売機が新たに登場したが、どういった経緯で生まれたのだろうか?そもそも、なぜ足で操作することにしたのだろうか?
ダイドードリンコ・コーポレートコミュニケーション部の森下尚昭さんに話を聞いた。
コロナ対策のため“足操作”が誕生
ーー「足操作自動販売機」を開発したきっかけは?
昨今のコロナ禍による公衆衛生意識の高まりにより、自販機に対する見方も変化していると当社では考えています。
そうした中で、いかにより安全・安心に商品を購入いただき、不安感を少しでも和らげることができないかと考え、今回の開発に至りました。
ーーどうして“足”で操作することにした?
一般的に手先が顔に触れたりすることが感染につながる可能性があると言われておりましたので、そうしたリスク低減のために足での操作だと効果があるのではないかと考え、このアイデアに行きつきました。

ーー利用する際の注意点はある?
特にございません。通常の自販機による購入と同じように商品を選んでいただき、そして、その商品の番号に合わせて選択ボタンを押していただければ購入することができます。
新型コロナウイルスの影響により、自動販売機での購入の不安を少しでも解消するために生まれたという新しい自動販売機。この「足で操作する」というアイデアを考えだすのには腐心したという。
子どもが乗っても大丈夫な強度
ーーどれくらいの強さで踏む必要がある?
特に強く踏む必要はなく、軽く押し付けるような感覚で踏んでいただければ問題ございません。子どもでも通常の自販機と同じように購入していただけます。また、子どもが乗ってしまっても問題ございません。
ーー現在の反響は?
大変ありがたいことに、報道関係を中心に多くの反響をいただいており、非常にうれしく思います。今後は、ニーズがどれくらいあるのか、ご利用時の課題等はどんなものがあるのかなどを検証していきたいです。

なお実証実験が行われるのは、ダイドードリンコの東京本部で、現段階では会社の関係者のみしか利用はできないとのことだ。具体的な実証期間は設けてはおらず、今回の実証実験で利用者がスムーズに購入できるよう操作手順なども踏まえて検証してく予定だそう。
今後の予定として、「取引先や設置要望のあるお客様に対して、提案を行っていきたいと考えております」と話していた。
新型コロナウイルスの影響もあり、衛生面を気にかける人は増えている。多くの人が触ることの多い自動販売機のボタンや商品取り出し部分のフタは、避けられるのなら避けたいと考える人もいることだろう。足での操作ならば、その不安を少しは和らげることにつながるのではないだろうか。
これまでにも足で踏み込む「ペダル式消毒スタンド」が話題となった。コロナ禍のいま、“足で操作する”機械や製品はさらに増えてくるかもしれない。
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