2019年、警察官になりすまして、当時80代の女性から約120万円をだまし取った疑いで、フィリピンに逃亡していた男が27日逮捕されました。
この事件をめぐっては過去に男女5人も逮捕されていて、警察は「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆるトクリュウによる犯行の可能性が高いと見て捜査を進めています。
27日の成田空港です。
警察官に囲まれて、フードを目深にかぶった男が通路を歩いていきます。
窃盗の疑いで27日逮捕されたのは住所不定、職業不詳の重松英史容疑者です。
警察によりますと事件が起きたのは2019年8月。
警察官を名乗る男が鹿児島県姶良市の80代の女性に「この辺りでオレオレ詐欺が起きている。女性の警察官を向かわせるからあなたのキャッシュカードを確認させてほしい」と電話をかけました。
その後、被害者の家を訪れた警察官を名乗る女が、キャッシュカードの入った封筒を被害者が目を離したすきにすり替えて持ち去り、その日の内に姶良市内のATMから現金約120万円を引き出したとされています。
事件をめぐっては2020年までにグループのリーダーとみられる男や、現金の回収役など5人が逮捕されています。
27日逮捕された重松容疑者について県警は、すでに逮捕されたリーダー格の男の下で、リクルーターやかけ子、現金の管理などを担当していたと見ています。
逃亡先のフィリピンから移送中に日本の領空内に入った所で県警の捜査員が逮捕したもので、海外へ逃亡していた容疑者を移送中に逮捕するのは鹿児島県警ではこれが初めてです。
逮捕時、重松容疑者は「覚えていない」と話し、容疑を否認していたということです。
県警は今回の事件について、闇バイトでメンバーを集めた「匿名・流動型犯罪グループ」による犯行の可能性が高いと見て、引き続き調べを進めています。