2025年は戦争の終結から80年の節目です。秋田市では戦争で命を落とした人を追悼する式が行われ、参列者が遺族や小中学生のメッセージを通じて平和への誓いを新たにしました。
秋田市の戦没者追悼式には遺族など320人が参列し、初めに犠牲者に黙とうを捧げました。
秋田市の出身者で戦争で亡くなった人は4457人です。
式では遺族を代表し、父と養父を立て続けに満州で亡くした北川セチ子さんが「寒い満州の生活だけど父は必ず帰ってくると信じ、ちゃぶ台に父の写真を置き、毎日帰りを待ちました。私たち戦没者遺児には命の大切さと二度と戦争をしてはいけないことをしっかりと後世に伝える務めがあります」と追悼の言葉を述べました。
そして土崎小学校6年の渡部はるひさんは、終戦前夜の日本最後の空襲「土崎空襲」の話を聞いてメッセージを書き上げました。渡部さんは「私と同じ小学6年生の男の子も亡くなったそうです。土崎空襲がなければ楽しく暮らしながら成長したはずなのにと考えると胸が痛くなってきました。私は、この当たり前に暮らせることが平和なことだったのだと、土崎空襲の話を聞いて気付くことができました」と読み上げ、平和の尊さを訴えました。
また、岩見三内中学校3年の石塚菜々美さんは「社会の授業で先生は『戦争の歴史を知り、それを忘れないことが大切だ』とおっしゃいました。戦争の愚かさと悲しみを語り継いでいきたいと思います」と後世への継承の必要性を主張しました。
参列者は犠牲者を悼むとともに平和への誓いを新たにしていました。