「けんかしてきた…」から始まった姉妹の米粉ピザ作り

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「本当においしいと思う、それが一番」

米粉の魅力を伝えるため、お菓子やパン作り教室を2年前から開いている富山県立山町の松澤詠子さん。娘の紗都さん(小学4年)は、「いつもキッチン見たらパンを作っている」とお母さんの姿を見ている。「やりたいことを夢中にやっているのが羨ましいな」と紗都さんは感じているようだ。

この日、米粉パン作りに挑戦するのは、梅香さん(小3)と桃香ちゃん(年長)の姉妹。夏休み中のこの日、教室に来る前にきょうだい喧嘩をしてきたようである。

「ごめんね」

お互いに謝り、仲直りをしたところでパン作りがスタート。二人が選んだのは「米粉のピザ」だ。

米粉ピザの作り方

米粉はパン用の「ミズホチカラ」を使用する。生地の他には、野菜やウインナーなどの具、トマトソース、チーズを準備する。

1. まずは、ピザに乗せる「具」を好きな大きさにカットする。

2. 次に、ピザの生地作り。計量しておいた粉類を泡立て器でよく混ぜる。

「みんな仲良くなってもらうね」と松澤さん。「全部同じ色になったでしょ」

3. そこに水、油を加え、ゴムベラでしっかり混ぜる。

「かたくひとまとまりになっていきます」「下にある生地が上に来るように持ち上げる」と松澤さん。

4. 生地を触って、指に生地がついてこなくなったらこね上がり。

「もちもちしてた」と梅香さん。

5. 生地を5分ほど寝かせた後、成形する。手に油をつけてから、ハンバーグを作るように油を馴染ませる。

「重い」と梅香さんが言いながらも、思い思いの形に仕上げていく。

6. 生地全体に薄く油を塗った後、ふち以外のところにフォークで穴を開ける。

7. ソースを塗ってから切っておいた具をのせる。

8. 生地のふちに針でついたような穴がいくつかあいてきたら焼いてOKのサイン。

9. 予熱しておいた250度のオーブンで10分ほど焼いたら完成!

米粉の魅力とは

姉妹のお母さん加菜さんは、これまで3回この教室に通っていて、今回初めて子どもたちを連れて参加した。「(米粉は)簡単、手軽にできるのがいい、おいしいし」と加菜さんは話す。

米粉の魅力は、グルテンが入っていないため、小麦アレルギーの人でも安心して食べられることである。また、消化吸収が良いので胃腸に優しく、国産の米粉を使うことで地産地消や環境にやさしい食生活にもつながる。

松澤さんが米粉に惹かれたのには理由があった。

「結婚前は保育士をしていてアレルギーの子に出会った。お弁当を持参したり、別メニューで食べてもらっていた。(私は)守りの姿勢だった、今だったら、"この中から食べられるものを!"と、ポジティブな関わりができると思ってその時の思い出が残っている」

好きなものを選んで食べてほしい!という願いが込められている。

子どもたちの創造力を引き出す米粉ピザ

教室の中でもピザ作りは子供に人気だそうだ。

「子供たちに自由にさせてあげられるのがいい。形も好きにできるし好きなものを好きな所にのせられる」と松澤さん。

出来上がったピザを前に、子どもたちは大喜び。

「カービィみたいにふっくらできました」と梅香さん。

「可愛くできました」と桃香ちゃん。

「本物みたいに羽が上手くできました」と紗都さん。

「どこから食べる?」という質問に、桃香ちゃんは「耳」と答えた。みんなで試食すると、梅香さんは手作りピザの点数を「1万点」とつけた。

「ピザ作り楽しかった?」という松澤さんの娘・紗都さんの問いかけに、みんな「楽しかった」と笑顔で答えた。

松澤さんは今後、米粉のパンやお菓子を販売してほしいという声に応え、製造工房を作り、販売にも力を入れていく予定だ。

富山テレビ
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