秋田県大館市で陸上競技の「競歩」の合宿が行われています。指導者は世界を舞台に戦った元選手や、今もなお競技と向き合う現役選手です。全国各地の選手が集まる中、ひたすら練習というわけではなく“遊び”を交えながら楽しく競技力向上を目指します。
合宿に参加しているのは、県の内外で競歩に取り組む高校生から社会人までの男女の選手23人です。
企画したのは大館市出身の小林快さん。2017年に世界選手権50キロ競歩で銅メダルを獲得しました。
世界を相手に戦った小林さんの指導にわくわくしますが、意外にも最初の練習は“きりたんぽ作り”でした。
小林快さん:
「せっかく大館に来てくれたので、大館の魅力を感じて帰ってもらうことが来年以降『また来たい』と思ってもらえることにつながり、大館への貢献にもなると思っている」
毎年楽しみにしている選手も多いということで、合宿には欠かせないようです。
参加選手は「1年ぶりに作った。有休を使って食べるきりたんぽはすごくはおいしい」「去年よりきれいにできた。おいしい」と満面の笑みを見せていました。
午後からはいよいよ本格的な練習です。小林さんの指導にも熱が入ります。
小林さんのサポートに勝木隼人選手も訪れています。勝木選手は、9月に東京で開かれる世界陸上の代表に内定している現役のトップアスリートです。
勝木隼人選手:
「競歩では世代を超えた合宿があまりなく、北は東北から南は九州までの選手が集まっているので、情報共有することで自分の競技力の向上にもなるし、少しでも参加者の力になればと思い参加した」
今回初めて合宿に参加した選手もいます。奈良県の高校1年生・仲谷真愛さんです。4月から競歩を始めましたが、部活に専門の指導者がおらず、YouTubeを見ながら1人で練習に励んでいました。
仲谷真愛さん:
「練習中にアドバイスをもらえるのがすごくうれしかった。合宿を通してとても競歩が速くなった気持ちでいる」
小林さんは「トップアスリートが目の前にいて、練習に真剣に打ち込む姿や普段の生活などをどんな気持ちでやっているのか、ここで一緒にやっている意義をこの合宿で感じてほしい」と話しています。