秋田・大仙市を拠点に音楽活動をしているシンガーソングライターの齊藤真生さん。コロナ禍での経験を経て「今生きている時間を大事にしたい」と、活動拠点を東京からふるさとの大仙市に移した。「大仙市から全国へ」をモットーに、自身の楽曲で生まれ育ったまちに恩返しをしようと奮闘中だ。

「今を大事にしたい」と帰郷決意

秋田・大仙市在住のシンガーソングライター・齊藤真生さん(38)は、高校を卒業後上京し、インディーズバンド「SONG ORDER(ソングオーダー)」で13年間、ボーカルとして活躍した。

13年間のバンド活動を経て2021年にソロデビューしたシンガーソングライター齊藤真生さん
13年間のバンド活動を経て2021年にソロデビューしたシンガーソングライター齊藤真生さん
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バンド解散後の2021年11月にソロデビューを果たし、シンガーソングライターとして全国各地でライブを開催するほか、映像制作や舞台、楽曲提供など、幅広く活動してきた。

そうした中、2023年に東京からふるさとの大仙市への帰郷を決意。コロナ禍での環境の変化がきっかけだった。

「コロナ禍を経て、いろいろなアーティストが自分のまちを盛り上げようとする活動を見ている中で、自分もやってみようと思った。そして今の生きている時間を大事にしていきたいと思い、戻ってくるタイミングだと思った」と語る。

大仙市は“生きている”と感じる場所

秋田に戻って2年目の2024年6月、ソロとして2枚目のアルバムを完成させ全国ツアーを行った。2025年5月には地元の大仙市で初ライブを成功させるなど秋田での活動の舞台を広げている。

秋田・由利本荘市でのワンマンライブの様子(2024年6月)
秋田・由利本荘市でのワンマンライブの様子(2024年6月)

齊藤さんは「大仙市を背負っていろいろな所に行きたい、音楽で盛り上げたいという気持ちが、観客にどれくらい伝わるのかなと思った。ライブ後、見てくれた人全員が話しに来てくれて本当にうれしかった。このまちで自分ができることをもっと探していきたいと思った」とふるさとでの初ライブを振り返る。

「生きている」と感じられるという大仙市の田園風景
「生きている」と感じられるという大仙市の田園風景

田園風景が広がる場所は、齊藤さんが動画の撮影などにも利用するお気に入りのスポットだ。「田んぼが四季を教えてくれる。山の色が変わっていくのを見ると、『生きてるな』と感じる。大仙市に帰ってきて、ここで書く曲も多く、弾き語り動画の撮影もした大事な場所」と語る。

ふるさと拠点に全国のライブ会場へ

大仙市を拠点に積極的に全国でのライブ活動に取り組んでいる齊藤さんは、どこのライブ会場に行っても必ず「秋田県大仙市出身のシンガーソングライター齊藤真生です」と自己紹介する。そこには「大仙市のまちを背負い、そこにいろいろな人が来てくれるように」との願いを込めているのだという。

大仙市から全国へ。「大仙市からライブに行くことが今の自信になっている」と話す齊藤さん。活動の根底にあるのは、自分の歌に耳を傾けてくれる秋田や全国のファンに歌声を届けたいという思いだ。

一歩踏み出せる歌で故郷に恩返しを

齊藤さんは「曲を全部聴いたときに一歩前に出られるように、背中をぽんと押せるような楽曲になればうれしい。お世話になった生まれ育ったこのまちに恩返しをしたい。今までやってきたことで何か協力できることがあれば、全力で費やしていきたいと心から思う」と語る。

齊藤さんの楽曲の原点となっている大仙市の風景
齊藤さんの楽曲の原点となっている大仙市の風景

8月31日から新しいアルバムのリリースツアーをスタートさせる齊藤さん。スタート地点となる大仙市でのライブには、全国で知り合った仲間を呼ぶという。

聴いた人が一歩前に踏み出せるような歌を。歌の力で大仙市を盛り上げようと奮闘する齊藤さんのステージはこれからも続く。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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