秋田・大仙市で、格闘家から農家へと異例の転身を遂げた男性がいる。彼が育てるネギは農薬を使わずに栽培され、メロンやマンゴーに匹敵する甘さを誇ると評判。東京の料理人をも驚かせるその味わいは、挑戦を続ける彼の生き方そのものを映し出している。
移住から始まった農業への道
大仙市横堀の農業用ハウスで出荷準備に励んでいる男性、ネギ農家の田畑雄基さん(46)だ。
東京都出身の田畑さんは2017年春、結婚を機に秋田へ移住。2020年に農業研修所時代の仲間とともに就農し、ネギを中心にカボチャやジャガイモなども栽培している。
格闘技で培った挑戦心
田畑さんはかつて格闘家として活躍した。6歳で空手を始め、野球やボクシングを経て、22歳でグレイシー柔術の門下生となった。
総合格闘技界のレジェンド、ホイス・グレイシー選手の練習相手を務めるなど、本格的に競技に打ち込んだ経験がある。
その後は東京で焼き鳥店を経営。格闘技や飲食業で培った「日々違う条件に挑む姿勢」が、現在の農業にも生きているという。
ネギ作りへのこだわり
田畑さんのネギ作りの最大の特徴は、農薬や化学肥料を使わないこと。害虫対策には手間がかかるが、ネギ特有の辛みが抑えられ、甘みが際立つ。

生の状態で糖度は約14度、火を通すと40度を超えるほどに甘さが増し、外側はシャキシャキ、中はとろっとした食感に。子どもでも食べやすい味わいとなり、東京の料理人からも「全国を探してもこんなネギはない」と高い評価を受けている。
自慢のネギで目指す未来
田畑さんは「野菜ソムリエ協会の品評会で評価を受け、自らのネギをブランド化すること」を目標に掲げている。
格闘家から農家へ――異例の転身を遂げた田畑さんの挑戦は、これからも続いていく。
(秋田テレビ)
