天童市で「原爆写真展」が始まった。原爆の記憶を風化させまいと伝承活動を行う男性の講話も行われ、参加者は平和の大切さをかみしめていた。

原爆で親や兄弟を亡くした子どもたちが、雪を食べ飢えをしのぐ姿が収められた写真。
6日に天童市立図書館で始まった「原爆写真展」は、平和の大切さを感じてもらおうと、市民団体が毎年行なっているもの。

会場には、広島と長崎に原爆が投下された直後の跡形もなく破壊された街並みや、人々の様子を写し出した写真など約100点が展示されている。

初日の6日、被爆者の体験や平和への願いを受け継ぎ、広島で伝承活動を行っている上椙輝之さん(82)が招かれ講話も行われた。

上椙さんは原爆が投下された時まだ2歳で、爆心地から約20キロ離れた呉市で暮らしていた。
そのため被爆は免れたが、親戚を探すため広島市内に入った父は「残留放射線」を浴び、原爆症とみられるがんで亡くなっている。

(被爆体験伝承者ヒロシマピースボランティア・上椙輝之さん)
「2歳のときに同級生が原爆で被爆した。でも不思議にやけどもけがもなかった。小学校に上がり、学校ではリレーの選手になるぐらい活発な女の子だった。ところが10年たって6年生・12歳のときに、突然白血病を発症し入院して8カ月で亡くなった」

(上椙さんの講話を聞いた小学6年生)
「戦争は人を殺し合うものだからだめなこと。それを未来の子どもたちにつないで、つらい戦争を起こさないためにどんなことをしたらいいか、考える機会になった」

「原爆写真展」は8月15日まで天童市立図書館で行われている。

さくらんぼテレビ
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