ワークマンは女性人気が急上昇

雨に打たれ、風にあおられ、雪の中を歩くファッションモデルたち…

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ステージ上で壁を登るボルダリングをする姿も…

何とも過酷なランウェイだが、実はこれ、作業服ブランド「ワークマン」の秋冬新製品ファッションショー。

元々、作業着を扱うブランドだが、ここ最近は女性人気が急上昇。特にアウトドアを楽しむ女性向けが好調だという。

ワークマン広報部・伊藤磨耶さん:
コロナ自粛の中で、(密になりにくい)アウトドアとかスポーツを始める方が増えて、ワークマンは手に取りやすい価格ということで新たに購入される方が増えました

秋冬物の目玉は、このジャケット。「REPAIR-TECH」フュージョンダウンフーディー(3900円)。

特徴は、もし針で刺して穴が開いてしまったとしても…

穴を指で押さえることで、なんとその穴が消えてなくなる。

作業現場で使えるよう独自に開発した新技術で、中綿が抜け出るのを防ぐというものだ。

ほかにも、便利なポケットが8個も付いたデニムのウォームキャンプスカート(1900円)など、高機能、低価格な商品を展開。

特に、女性向けアイテムは2019年のおよそ4倍近くに増やしているという。

コロナの影響でアパレル業界が不況に陥る中、日本のファストファッションの販売が健闘している。

無印良品はホームウェアが好調

無印良品は、1日からセーターやベストなど、秋冬物の衣料品を見直し、最大1500円の値下げをすると発表した。

今後は、密になりやすい週末のセールをやめる方針。赤字を抱える無印良品だが、その中でも成長しているものが…

良品計画 衣服・雑貨部アパレルMD 田中俊輔担当部長:
特徴的なのは、パジャマ、ホームウェアが大きく伸びた。外に出て行く機会が減ってきていると思うので、やはり客の日常着、普段着を展開しているところは強みとして出ているんじゃないかなと…

しまむらは郊外店舗が功奏

一方、しまむらは、10月1日からオンラインショップを開設し、新たな顧客を開拓する狙い。

しまむらは、リラクシングウェアやタオルなど、家の中で過ごす商品が好調で、コロナの中でも売り上げは堅調。

巣ごもり需要に品ぞろえがマッチしたことや、店舗の8割が郊外にあることなどが功を奏しているという。

東商リサーチによると、新型コロナ関連での倒産は、アパレル関係は59件で、83件の飲食業に次ぐ多さと厳しい状況になっている。

大手アパレルが苦境に立たされる中、巣ごもりファッションや郊外店などを強みに、秋冬でさらなる攻勢をかける。

“独自の強み”の構築が重要

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんにうかがいます。石倉さんは以前、ECやアパレル関係の事業もなさっていたそうですが、このニュースはどうご覧になりますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
VTRで紹介された3社は、ECや郊外店舗を持っているという共通点がありますが、それ以外にそれぞれ独自の強みを持っているのが大きいと思います。例えばワークマンは、これまで作業着として売っていた同じ商品をライダー用だったり、スポーツ用だったり用途別にブランドを分けて新しい顧客を開拓しています。通常新しい顧客を開拓するには、新商品を開発することが多いと思いますが、そうではなくて、用途別にブランドを変えるというやり方で新規顧客の獲得に成功しています

石倉秀明氏
石倉秀明氏

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
また、しまむらも多くのアイテムを少量ずつお店に置いて売れ残りをなくす代わりに、新しい商品を毎日投入していくという、ユニクロとは真逆な戦略をやっていますし、無印良品一目で無印だと分かるブランドを作りながら、SNSアプリを使って顧客の声を吸い上げて商品開発するというやり方でファンをつかんでいます。間違いなくやらなくてはいけないデジタル化以外のところで、自分たちがどうやって独自のポジションを築くか、どう投資するかが非常に重要なポイントになると思います。

三田友梨佳キャスター:
感染拡大で消費者の価値観が大きく変わりましたが、消費がどこに向いているかをしっかり捉えながらも独自の路線を見いだすことが重要だということです。

(「Live News α」10月1日放送分)