価格は下落傾向にあるもののまだまだ収まる様子のない「令和の米騒動」。いま、米不足により静岡県浜松市で愛されている定食店が一時休業に追い込まれています。

店員:
“トンテキ定食”お待たせしました

ボリューム満点でタレが良く絡んだトンテキ!

一緒に提供されるのは山盛りのご飯です。

落合健悟 記者:
いただきます。お肉にタレが良く絡んでご飯が進む味です

定食を提供するのは浜松市中央区の精肉店が営む飲食店・味喜屋。

トンテキやカツカレーなどボリューム満点の定食が低価格で食べられるとあって昼時には行列ができる人気店です。

常連客:
いつもオープンの時は並んでいることが多いが、すぐに(料理が)出てきてボリュームもあって美味しい

常連客:
トンテキ定食1本です。(Q.トンテキはご飯に合う?)そうですね、もうタレだけでいけます

しかし、店に張られた張り紙には8月1日から“休業”の文字が…

その理由は「お米切れ」です。

味喜屋・杉山裕一 店主:
農家から「どうしてもお米が出せない」という話があって、新米の様子が見えるまでストップという状況です、いま。いろいろな業者から引き合いがあるが、長い付き合いがあって優先的には出してもらっていたが、それでも足りないという状況らしくて

米の仕入れの停止と豚肉の価格高騰…ギリギリまで努力しましたがいったん休業することを決めました。

味喜屋・杉山裕一 店主:
「街中の社員食堂」というテーマで営業しているので、皆さんの財布に影響が出ないようになるべく(値上げを)抑えているが、限界は近いかなと

いま、期待するのは秋からの新米。

入荷を見込む9月中頃まで休業してその間は、店内の改装や肉を勉強する時間に充てようと前向きに捉えています。

味喜屋・杉山裕一 店主:
新米が出次第復活したいと思っているので、その時には笑顔でいろんな情報を入れてスキルアップして戻ってきたい

そんな多くの人が待ち望む新米ですがさっそく7月28日には菊川市で新米の収穫が始まりました。

収穫されているのは静岡生まれの早場米「なつしずか」です。

米農家・長谷川正之さん:
作付け前に市場で米不足が報道されていたので早めに田植えして収穫も早くなれば早く新米が市場に出ていいと思った

米農家の長谷川正之さんは田植えを10日間前倒しして3月下旬に。

さらに米不足の状況を受け2025年の作付面積を1割以上増やしました。

この日は近くの米農家やJAの職員も収穫作業を見守ります。

いまのところ稲の成長は順調ですが、気がかりなのが猛暑の影響です。

近隣の米農家:
ここ最近 雨も減って降っていない状態なので、(米作りの)中盤から後半にかけて水が足りるかというのはちょっと不安なところ。難しい天候ではあると思うが、収量を下げないようにおいしくて安全なものを作れれば

米騒動の収束に向けて関係者も市民も2025年の収穫を見守っています。

テレビ静岡
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