青森では、800匹のサーモンを食い荒らし、北海道では、家庭菜園のメロンやスイカに牙の痕が…。さらに路上でクマが鹿を…。
人里近くで、クマの被害が多発している。
「大量に魚が浮いていた」
白い腹を浮かせた大量のサーモン。

青森県むつ市の養魚場で25日朝、800匹のサーモンが死んでいるのが見つかった。

山口養魚場・麦沢智暁さん:
すごい大量に魚が浮いてたので、それを見た時点ですごいショック。現実じゃないみたい、本当に。すごい数です、本当にもったいない。出荷間近の魚でした。
(被害は)300万~400万の金額。それと水車も壊れてしまって、もうモーターが焼き付いてしまったので、その損害も入れるとやっぱり400万ぐらいになると思う。

依頼を受け、市が付近に設置した罠には翌日、1頭のクマがかかった。
養魚場では、クマによる被害とみている。
山口養魚場・麦沢智暁さん:
クマ何回も出てたので、養殖場に。何回も(クマを)見てるし。
以前から、クマを目撃。罠の設置を依頼していたと言いう。ところが…。

山口養魚場・麦沢智暁さん:
今年はクマがすごい多くて順番待ちというか、罠をかけるのも順番待ちだし、罠自体も足りてないと言われたんです。
クマがシカに襲いかかる姿が…
人里近くでのクマの出没は、北海道でも…。

食い荒らされたメロン。
スイカには、牙の痕が、くっきりと残っている。

北海道・南部の上ノ国町で22日午前6時半ごろ、家庭菜園でスイカやメロン、合わせて20個以上が食い荒らされているのを住民が発見し、警察に通報した。
住民:
もったいない。クマには勝てないな。
取材班が、この家庭菜園にカメラを設置。

すると午前3時半ごろ、徘徊するクマの姿をとらえた。
下を見て、キョロキョロと何かを探しているように見える。
別のカメラの映像の音を聞いてみると…。

メロンを食べているのか。クマが食い荒らす音が収められていた。
同じ家庭菜園に執拗に現れるクマ。なぜ、このように食害を繰り返すのか。

酪農学園大学・伊吾田 宏正准教授:
最初は警戒しながら、お腹がすいているのか手を出し、成功体験をすることで、出没を繰り返してしまうということ。クマの個体数がいま過剰ですので、たくさん出没してしまう。
さらに同じ北海道の羅臼町では、クマが鹿に襲いかかる姿が撮影された。

オスのエゾシカに襲いかかる、体長1メートルほどのクマ。

首の辺りに噛みつき、林の方へと引きずって行く。

現場から最も近い住宅からは約50メートル。この付近には民家が約10軒ほど点在している。
人通りのある路上で、クマが鹿を襲ったことに専門家は…。

酪農学園大学・伊吾田 宏正准教授:
夏はヒグマにとってエサが不足する季節なので、鹿を食べるために襲った可能性がある。
全道的にエゾシカの個体数もヒグマの個体数も多すぎるので、今後も時々、目撃されるのではないかと思います。
(「イット!」7月30日放送より)