2024年7月25日、山形県内を襲った豪雨から1年。2人の警察官が殉職した新庄市で追悼式が行われ、参列者が2人の冥福を祈り再発防止を誓った。また、酒田市北青沢では犠牲になった女性を悼み市長が花を手向けた。

殉職警察官を現場で追悼も遺族と県は係争中
2024年7月、新庄市本合海で、災害対応にあたっていた新庄署交通課の佐藤颯哉巡査部長(当時29)と、真室川駐在所に勤務していた玉谷凌太巡査長(当時26)の2人がパトカーごと流され死亡した。

発災から1年…。
2人が流された現場で遺族などが出席して追悼式が行われ、県警察本部・水庭本部長や吉村知事などが黙祷を捧げた後、花を手向けて冥福を祈り再発防止を誓った。
県警察本部・水庭誠一郎本部長:
前途有望な2人を失った悲しみが癒えることはないが、私たちは警察職員としての使命・職責を全うした2人の崇高な精神を深く心に刻み、県民の安全安心の確保にまい進することを誓う。

2人の殉職をめぐっては、パトカーに救命胴衣が装備されていなかったことが浮き彫りとなった。
県警は2025年2月、災害時に屋外で活動する警察官全員分の救命胴衣と、水難救助用ヘルメットの配備を完了した。

警察官の安全を確保する取り組みが進められる一方で、県警には安全配慮義務違反があったとして、遺族が県を相手どり慰謝料など3161万円を求める国家賠償請求訴訟を起こし、裁判が続いている。
避難中に行方不明になった市民を市長が慰霊
一方、酒田市では北青沢に住む相蘇外百子さん(当時86)が犠牲になった。
相蘇さんは家の近くで行方不明になり、約2キロ離れた荒瀬川にかかる三保六橋で発見された。
矢口市長は25日、この現場を訪れて花を手向け、相蘇さんを慰霊した。
酒田市・矢口明子市長:
亡くなられた方の冥福を祈った。復旧復興はこれからだと思いをあらため、一緒に進んでいきたい。

近くに住む女性は、「長年一緒に勤めてきたので、『あの時は楽しかった』と仕事のことを思い出した」と話してくれ、少し離れたところから橋に向かって手を合わせ、相蘇さんを偲んでいた。

(さくらんぼテレビ)