秋田県内の高校生の写真作品を一堂に集めた2025年の『県高校写真連盟展』で、秋田市の明桜高校写真部が学校対抗の部で初めての優勝を果たした。特賞を含め14作品が入賞。力作を生み出した部員たちのカメラにかける思いに迫った。

連続で“特賞” 「流し撮り」で受賞

秋田市にある明桜高校の写真部。部員は現在38人。毎日放課後に活動しているが参加は自由だ。

毎日放課後に活動している明桜高校写真部
毎日放課後に活動している明桜高校写真部
この記事の画像(8枚)

3年生の島倉永有さんは、2024年11月に開かれた県高校総合美術展で、応募作品430点の中から特賞を獲得。7月26日から香川県で開催される『全国高校総合文化祭(かがわ総文祭)』に県代表として出場する。

県高校総合美術展・特賞『世界の果てはすなわちここ!』(かがわ総文祭出品作品)
県高校総合美術展・特賞『世界の果てはすなわちここ!』(かがわ総文祭出品作品)

特賞に輝いた作品『世界の果てはすなわちここ!』は、2024年に秋田・八峰町で行われた写真部の合宿で撮影したもので、人が立てる岩場を舞台にした。

明桜高校写真部・島倉永有さん(3年)
明桜高校写真部・島倉永有さん(3年)

島倉永有さん(3年):
カメラにはシャッタースピードというのがあって、何分の1秒ならちょうど良くなるかとカメラの設定を変えながら工夫して撮影している。スマホで撮った写真と比べて、波が帯状になっているのが気に入ったポイント。岩と人と海と空以外は何も入れないように構図づくりを大切にした。

島倉さんは5月31日~6月2日にかけて開かれた県高校写真連盟展の個人の部でも、応募作品530点の中から特賞に選ばれた。

県高校写真連盟展・特賞『MUGEN』
県高校写真連盟展・特賞『MUGEN』

特賞を受賞した『MUGEN』と名付けた作品は、車の動く方向に合わせてカメラを動かしながら撮影する「流し撮り」という技法を使っている。

「流し撮りという撮影方法が好き。車にピントを合わせて周りがブレているので、疾走感が伝わってくるのでこの撮り方が好き」と話す島倉さん。「車をモチーフにした写真で特賞を取ることができて、本当にうれしかった」と受賞の喜びを語った。

入賞14点 学校対抗の部で初優勝

島倉さんの活躍のみならず、県高校写真連盟展では明桜高校の写真部員が出品した14作品が入賞。作品の受賞数で競う「学校対抗の部」で初優勝を果たした。

表彰式で賞状を手にする佐藤慧部長(左)
表彰式で賞状を手にする佐藤慧部長(左)

佐藤慧部長(3年):
みんなの力もあって、それぞれの頑張りで学校対抗の部で優勝することができた。

躍進を続ける明桜高校写真部。3年生はほとんどが9月の大会で引退するが、そのバトンは次期部長を務める2年生の佐々木舜さんにつながれる。

写真部の次期部長・佐々木舜さん(2年)
写真部の次期部長・佐々木舜さん(2年)

「部活動体験で写真部に来た時に、先輩方がすごくフレンドリーで、そこに自分も入れば気の合う仲間ができると思い入部した」という佐々木さんは、「カメラを触ったことがない人でも気軽に入部して、そこから高めあえるような写真部にしたい」と意気込む。

写真は“作る”もの 部員一丸で挑む

島倉さんも自身の最後となる大会では、写真部のみんなで協力して臨みたいと話す。

部員みんなが協力して新たな作品作り
部員みんなが協力して新たな作品作り

島倉永有さん(3年):
スマホだと撮影の設定は自動でやってくれるが、カメラは絞りやシャッタースピード、ISOなどを自分で全部調節して撮影するので、写真を撮るというより“作る”イメージ。9月に中央支部の大会があるので、学校対抗の部で1位を取れるようにしたい。自分の好きな自転車の写真を撮影して入賞したい。

若きカメラマンたちの挑戦はこれからも続く。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
秋田テレビ

秋田の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。